現行の制度に比べて買い取り額を2倍以上に引き上げ、その負担を来年4月から電力料金に転嫁する仕組みだ。これによって平成23年度以降の電力料金は標準家庭で月額30円、27年度には最大で月額100円程度の料金引き上げが見込まれている。て平成23年度以降の電力料金は標準家庭で月額30円、27年度には最大で月額100円程度の料金引き上げが見込まれている。
しかし、民主党のマニフェストでは、太陽光だけでなく、風力などを含めた再生可能エネルギーを全て電力会社が購入する仕組みを求めている。「民主党案では、標準家庭の料金上乗せ額は政府の新制度の2倍をはるかに上回る」(経済産業省幹部)という負担増が指摘されている。
民主党では、こうした家計負担をめぐる政府の試算に対し、「脅しに近いと考えている。前提の数字によって負担額はいろいろと変わる」(岡田幹事長)と批判する。だが、民主党自身は温室効果ガスを2020年に05年比で30%削減した場合、具体的にどのような国民負担が生じるかを示していない。
民主党は、今回の衆院選で中学生以下の子供1人当たり月額2万6000円を支給する子ども手当の創設や高速道路無料化など家計を支援する公約を打ち出している。だが、同じマニフェストに盛り込んだ温室効果ガスの排出削減目標は、その個人消費を一気に冷やす恐れをはらんでいる。
家計負担はこれだけではない。民主党の目標を実現するには、新築だけでなく、既存住宅も断熱化してエネルギー効率を高める必要がある。だが、住宅生産団体連合会では「古い住宅の断熱化には天井や壁だけでなく、床やサッシなども取り換える必要があり、1軒当たり500万円以上の費用がかかるケースも出てくる」てみている。
日本総合研究所の足達英一郎主席研究員は「温室効果ガスの大幅な削減を目指せば、国民負担も増える。05年比30%という削減は、可処分所得の増大による内需主導型の経済成長を目指す民主党の政策とはつじつまが合わない」と指摘。そのうえで「大幅削減には既存産業から血が覚悟して産業構造を転換しなければならないが、民主党のマニフェストにはそのビジョンがみえない」と批判する。
また、第一生命経済研究所の永井利広主席エコノミストも「民主党はCO2の排出量を増やすような高速道路無料化や道路特定財源の暫定税率撤廃を打ち出しながら、高い排出削減目標を掲げること自体が矛盾している」と政策の統合性に疑問を投げかけている。