最後のムスリム国家イラク旅④ーカルバラーの宿見つからんてー | Travel is Trouble 109カ国目

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シーア派預言者イマム・フセイン

あんたの人望半端ないって!

ホテルが見つからないのよ!

100IQD=約10円 ※各詳細情報は文末


アルビルからバグダッドへ戻り、ワリードの家に再び連泊。合計一週間も宿泊させていただいた。Kota君がいる時にお礼に親子丼を振る舞ったのだが、何となくではあるが反応はいまいち。やはり日本人と違って色々なバリエーションの料理を食べないイラク人にとって親子丼は異色過ぎたか。因みに私とKota君という馬鹿舌同士、自画自賛の親子丼だった。


バグダッドからバスで約1時間半のカルバラー向かう。カルバラーなんて聞いたことすらなかったのだが、イランのシュシュタルにいる時に商店の店主にイラクに行くことを伝えると

「カルバラーに行きなさい」

まるで神のお告げかのような神妙な面持。西暦680年にシーア派預言者のイマム・フセインが戦死した「カルバラーの戦い」の戦地である。イマム・フセインは今でも絶大な人気を誇っており、イランとイラクではあちこちでイマム・フセインの肖像画が見受けられた。イマム・フセインの命日に行われたシーア派最大宗教行事「アシュラー」をテヘランで見ることができたこともあり、せっかくなのでカルバラーに行ってみようかという気持ちが湧いてきた。


バグダッドからバスでカルバラーに到着すると

ドえぇー!!!


人多すぎないか!? 今からカルバラーの戦いの再現でもするかの如く、人が大量発生しているのだが!

そういえばテヘランで出会ったシーア派の歴史に詳しい祭男から連絡があったことを忘れていた。アーシュラーから40日目に実施される喪明けの儀式「アルバイン」に向け、カルバラーにイランから大量の人々が押し寄せているというのだ。しかもそれはイラン政府が奨励しているようで、テヘランからカルバラーまで無料のバスが通っているのだとか。だから私の目の前に行き先がテヘランと書かれたバスが止まっているのか! 畜生!もう少しイランに入れば無料でカルバラーまで来れたではないか! 


人が多過ぎる弊害は凄まじい。どこのホテルも部屋が空いていない!もし空いてたとしてもめちゃ高い! どうすりゃいいのだ…。5時間程ホテルを探し回ったが中々見つからない。こうなるのが分かっていたらバグダッドから日帰りでカルバラーに来るべきだった…。

まあとりあえずイマム・フセインの霊廟を見に行くか。荷物を預けて早速霊廟内部へ。


霊廟内は驚くべき豪華な装飾。

イラン、イラクとシーア派のモスクや霊廟の内部は豪華絢爛。スンニ派のモスクは外観が綺麗で内部は質素なイメージ。
霊廟内には何とも活気に溢れており、一人一人が何かを叫びながら奥へと進んでいく。

更に奥に進むとカオス過ぎた。
イマム・フセインの遺体が安置されているというザリヒ(Zarrih)に群がる巡礼者達。皆ザリフに触れる為にはるばる遠くから来ていると言っても過言ではないくらいに猛烈な勢いだ。ザリフが置かれた空間は流れるプールかのように人の流れに身を任せるしかやりようがなく、何度挑んでもザリフに触れずに弾き出されてしまう人々。細マッチョでアンガールズ加入も秒読みかと囁かれる私も例によって部屋から弾き出されてしまった。

そういえばこの霊廟内はカメラの持ち込み禁止で、なぜかスマホだけは持ち込んで良い。スマホにもカメラ機能が付いているというのにおかしな話ではないか。できるだけ良い写真を撮りたかったので私はカメラを隠し持って再入場を試みた。

一回目のボディチェックでどこを触られるか分かっていた。唯一触られなかったのは後ろポケット。そこにカメラを忍ばせると見事カメラを持って入場に成功した。

何というスパイ気分なのだ。このカメラ一つあるだけで、私は何とも言えない高揚感を味わえている。順調に霊廟内部を撮影。すると誰かに腕を掴まれた。

警備員だ!!

バレてもうた…。警備員に腕を引っ張られ、そのまま霊廟外につまみ出された。

しかしなぜ精度の高いカメラでは撮影が駄目で、スマホカメラならいいのか謎過ぎる。


外はもう暗い。そろそり本格的に宿を探さなければと思い、辺りを見回すと、なんと人々が堂々と雑魚寝しとるではないか! ホテル難民になったら私もあの雑魚寝の一員になるしかないのか…。最後の望みをかけて、一度訪ねた宿を再び訪れると

「無料で宿泊できる所を教えたる」

というではないか! 何という運なのだ! 3時間待ってくれというので辺りでウロウロすることに。

そういえばこのアルバインまでの期間はカルバラーやカルバラーからバスで約1時間のナジャフなど、シーア派の聖地がある所は基本的に飲食無料。日本の祭りの露店のような感じで食料を配りまくっている。その光景、まるで石原軍団の炊き出し。

炊き出し最高過ぎ! だけどこの期間、宿探しがあまりにも難航するので損得勘定で考えれば微妙か。イラク出国の前日にナジャフにいたのだがやはり人が多すぎて宿が取れずに空港で宿泊した。


炊き出しを食べたりしているうちに3時間が経過したので待ち合わせの場所へ。

「叔父について行けば大丈夫だから」

と言われた後
「これはお土産だ」
とイマム・フセインに関わる何らかの小包を貰った。この小包、後に重要な代物だったということが分かるのだがその話はまた今度。
叔父さんに付いていって到着したのはとある5階建ての一軒家。一階で家主に挨拶してから3階へ向かうと20人くらいが雑魚寝している。
ここなのか?! 外で寝るのと何が違うの?! 
まさかだった。まあ外よりは何かと楽なのだろうと思っていたが、結局外の方がマシだったな。

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イラク情報

・バグダッドのアラウィバスターミナルは北と南で別れていて北方面に行くバスは道路を挟んで北側、南方面のバスは南側

・バグダッド→カルバラ(5000D)基本的に長距離バスにデカバスはないがシーア派聖地だけあってデカバスで行ける