川勝平太 静岡県知事が、23年4月1日、新人県職員への訓示で、
「県庁というのはですね、別の言葉でいうと、シンクタンクです。毎日毎日野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたり、あるいは物を作ったりということと違ってですね、基本的に、その、皆様方は頭脳、知性の高い方たちです」(原文ママ)
との露骨な職業差別発言をして大炎上、翌日、辞任を表明しました。
その川勝知事は、強硬にリニア中央新幹線建設(以下「リニア」と表記)に反対、というより執拗な妨害を続けていました。
「リニアは静岡県に駅はないから、リニアができても静岡県民には関係ないのでは?」
と思っている人が多いので、それができた後に起こる東海道新幹線の変化を記します。
1、速達タイプ列車の、静岡駅、浜松駅への停車が増える。
2、「こだま」のスピードアップが行われる。
3、静岡県から建設要望が出てるが、現状では困難な、東海道新幹線「静岡空港駅」実現の可能性が高くなる。
と、静岡県にとって、いいことずくめなんです。
1、速達タイプ列車の静岡駅、浜松駅への停車が増える。
現在、静岡県内に停車する速達タイプ列車は、静岡駅と浜松駅に、おおむね「ひかり」が1時間1本です。(例外あり)
しかしリニアが完成すると「のぞみ」客の多くがリニアに逸走(いっそう)。
JRは、東海道新幹線の収入減を少しでも減らす必要に追い込まれます。
となると、沿線の中で人口が多い、静岡駅、浜松駅に速達タイプ列車の停車を増やして客増を狙うのが第一です。
数か月前だったか、国土交通省が、そのような「停車列車増」の試算を静岡県に提示しました。
2、「こだま」のスピードアップが行われる
現在、東海道新幹線は、路線容量の限界まで列車本数を運転しています。
早朝深夜以外は、首都圏の通勤路線並の3~4分間隔で運行しています。
「こだま」は現在、小田原から米原まで、ほとんどの駅で「のぞみ」「ひかり」に追い越されていて、長時間停車を余儀なくされています。
リニア開業で「のぞみ」運行本数が大幅削減されるので、「こだま」の退避回数が少なくなり、スピードアップが行われます。
3、静岡県から建設要望が出てるが、現状では困難な、東海道新幹線「静岡空港駅」実現の可能性が高くなる。
静岡県が同駅建設を要望しているが、現状ではその実現は困難です。
路線容量限界本数を運行しているため、新駅ができて「こだま」が停車するようになると、所要時間がさらに増えて、速達列車の前の線路をふさぐ形になってしまい、現行列車本数、スピードでのダイヤが組めないんです。
リニア開業で「のぞみ」が減便されれば、それも可能となります。
前述の通り、JRは東海道新幹線の減収を少しでも減らすべく、新駅設置に動く、と考えるのが自然です。
「リニアが開業しても、静岡県内に駅がないから、静岡県にメリットはない!」
というのはリニア反対派が、こういう事情がわからない人達を騙すための、姑息なデマなんです。