公益資本主義 | 視覚障害投資家のHappy Days

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お金について知識や知恵をもつことで、人生はより豊かになります。
すべてではありませんが、ある程度の問題はお金で解決できます。
お金に関することを軸に、視覚障害者(弱視)である僕が、言いたいことをどんどん発信していきたいと思います。

「結い2101」に投資させていただいているつながりでこちらの記事 を見つけ、とても興味を持ったので『みんなを幸せにする資本主義―公益資本主義のすすめ 』を読んでみました。

読み進めながら、「自分は、まさにこういう考えを求めていたんだ!」と共感することばかりで、本当にあっという間に読んでしまいました。
資本主義って、「もっと豊かになりたい」「もっと便利な生活を送りたい」という、幸せを願うみんなの気持ちが原動力になっていると思います。
一方の社会主義は、「働いても働かなくてもみんな平等」という、冷静に考えればめちゃくちゃな動機づけがもとになっているから、当然供給力不足を招き、技術革新も起こらず、結果として崩壊しました。

これで資本主義が浸透し、みんな幸せになりました・・・で終わればよかったのですが、そうはならなかったんですね。それを「なぜだろう?」とずっと疑問に思っていたところ、本書に出会い、資本主義は3つの考えがあることを知りました。
①欧米型資本主義…とにかく儲け主義。利益を上げることがすべて。
②国家資本主義…中国共産党による独裁のもと、推し進められる資本主義。現体制を維持することが最大の目的。
③公益資本主義…「企業は公器」、みんなの幸せを実現する手段として企業があると捉える。企業活動=社会貢献を行い、末長く企業を存続させようと努めることが大事。

今の世界を見ていると、ほとんどが①欧米型資本主義になっています。「とにかく自分さえ儲かればいい」と短期で最大の利益を上げることを至上命題とする考えで、世界に大きなゆがみをもたらしています。
これでは、資本主義がうまくいかないのも道理ですね。本書を読みながらストンと理解できました。

ただし、③公益資本主義を推し進めていかなければならない――これはもう間違いないことですが、やはり問題は動機づけ、インセンティブをどうするかだと考えます。本書ではこの点に深く言及されていなかったのが少し残念でした。
確かに、長期的な視点から見れば公益資本主義は絶対真なのですが、それぞれ個人が、あるいは企業がそれを動機づけにできるかというと、少しだけ疑問が残ります。「やっぱりお金はほしいし、おいしい思いもしたいし、ラクもしたい」、こう思うのが人情ではないでしょうか。
僕個人としては、自らの欲望を少し抑えていくことが全体利益につながる、というのは日々ひしひしと感じているので十分インセンティブになり得ると思うのですが、多くの方々にとってはどうなのでしょうか。



機会あるごとに、いろんな人と本音で語り合ってみたいと思います。