茨城県教育委員会の長谷川委員による「障害児出産」発言
が問題になっています。
本人も謝罪しているとおり「言葉足らず」である点は確かに問題だったのでしょうが、そんなに大騒ぎすることかな?というのが僕の意見です。
障害を抱えて生きることは大変だし、家族にも大きな負担となるのは当然です。「できれば健康な子を産みたい」と願うのは親の道理であり、実際に風疹の予防接種が推奨され、出生前診断も抵抗なく行われています。
もっとも、この問題は「人はいつ”うまれる”か」、つまり人為的な介入が許されるのはどこまでか?という問題がつきものでしょう。
①予防接種なら、受精すらしていない段階で障害をあらかじめ予防する手立てだからOK?
②妊娠22週前なら、法的にも堕胎が可能だし、まだ生まれてないからOK?
③妊娠中なら、おぎゃあと生まれる前だからOK?
④生まれても、小さいうちはまだ意思がないからOK?
現在は、①は全く問題なく、②は反対もあるものの法的には問題なく、③は法的にはダメだけど実際黙認されているかもしれない、そして④は明らかに殺人となる――という状況ですね。
いずれにせよ、「これが正解」というものはあり得ないでしょう。江戸時代には口減らしのための間引きも普通だったし、戦時中は④も普通に行われていたと聞きます。
もちろん、個人的にはそれが「いいこと」とはこれっぽちも思いませんが、大切なことは、見たくないことに蓋をせず議論することではないでしょうか。
今回の件、「言葉足らず」を謝罪したのは当然でしょうが、辞職する必要まであったのでしょうか。辞めずに、障害児とどう向き合っていくのか、県民挙げて議論できるよう意見を提示していくべきだったのではないでしょうか。