幼少期2 | Life is …

Life is …

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子供の頃、あるオモチャが大人気になりました。







「ミニ四駆」






頭を使い、金を使い、手間をかけ






「どう改造すれば、より早く、安定して走るか」





まるでエンジニアのように向き合ってました。






穴を空けて軽量化し、モーターと電池を選び、その両方とタイヤ、リングなどで安定した走りを保ち、歯車を選び、グリースの量を考え、色やステッカーを変え、好みのデザインにしたり…






とても豊かな遊びでした。






そしてみんな、試行錯誤してがんばってました。







1度、奇跡的に、恐ろしく速く、すごく安定してコーナーを疾走する、最高のマシンが出来ました。









コースで走っても負け知らず。







デザインも我ながら最高の出来。








もう2度と作れないであろう最愛のマシンでした。








ある日、友達の家のコースで何人かでレースをしていました。






初めて一緒にレースをした友達に







「なにそれスゲー早い!、なのにコーナーで落ちないじゃん!」







というような事を言われ、最高に上機嫌でした。








「早いだけ」、なら誰でも出来ますが、コーナーを最速で安定して、コースアウトしないで曲がるのがなにより難しかった……







それを実現していました。







その日までは。










そう、その日は雨。ドシャ降りの1日







友達の家の2階で4~5人でレースをしていました。








また、圧勝。







無敵でした。







そして運命のレース…







そのレースでもぶっちぎりです。
他のマシンを周回遅れにするほどに。








そして、運命のコーナーにさしかかり








また奇跡的なスピードで曲がる





「はず」でした。









あいつは…初めてコーナーから飛び出しました……







そして畳の上へ…






あまりの早さが仇となりました。






つかまえる暇も無く







ビーーーン






モーター音をたてて、2階のベランダへ疾走







追いつきません。
最速だから。







雨が、降っていたのに、何故かベランダの窓が開いていたんです。
10cmくらい…






言わば「すき間」です。







もしも、窓に当たっていれば、方向を変えたでしょう。部屋の隅でつかまえられたはずです。








ミニ四駆ピッタリ1台のすき間を、奇跡的に綺麗にすり抜け










ベランダを突き抜け







友達の家と、隣の家のすき間へ落ちて行きました…。







ドシャ降りの雨の中、外へ慌てて取りに行きました。







友達の家と、隣の家のすき間は30cmも無く…





いくら子供でも入れません。





別れです。







その後の俺のへこみ具合……わかりますか?







もう2度とあいつは作れません。
しばらくは友達の間でも







「あれはすごかった」
と、言われ続けました。









別れはあっけないもの。








子供ながらになにかを悟った1日でした……。