「不思議の国のアリス」に登場する狂った帽子屋の新しい始まり。
英国の童話作家ルイス·キャロルが1865年に発表した「不思議の国のアリス」の中のキャラクターである狂った帽子屋をモチーフに、自分が本当に望む帽子を探そうとする二人の少年の旅程を通じて、存在の自由に向けた小さいが勇気ある抵抗を描き出す。
秩序と規範の中に閉じ込められた世界で「決まった帽子」ではなく「使いたい帽子」を作って、かぶって、売る夢を見るノアとジョスリンの話は、選択可能な人生の価値を再照明し、不可能に見える夢を見る人々に向けた応援を伝える。
万国博覧会を控えた1851年のロンドン、ヘクター帽子工場に就職した14才の少年ノアは偶然ヘクターの息子である「ジョスリン」に会う。
お金を稼ぐために「決まった帽子」を作るノアと「使いたい帽子」を作りたいと思うジョスリンは、お互いを理解できないが、休み時間を共に過ごしすぐに友達になる。
一方、フェルト作業場で仕事をする人々がおかしくなる原因を探しに出たノアは、その原因が「水銀蒸気」ということを明らかにするが、ヘクターは水銀使用を強行しノアを解雇する。
街に追い出されたノアは、仕事がしたいホームレスたちを集めてジョスリンと一緒に帽子屋を開き、以前にはなかった人々の思い出と欲望を込めた帽子を作って売り始める。
18世紀末、 革命という概念が胎動し始めた激動のフランス。政治的理念の波の中で、2人の人物はお互いのための最善の道を探そうとする。
「私たち」という名前で簡単に縛られない、 私とは違う完全な他人のための行動はどこから始まるのか。
より良い明日を夢見るが, いざその明日を生き抜くことができないかも知れない誰かが他人に未来をプレゼントしようとする気持ちはどのように可能だろうか。
利己心と利他心の境界で揺れる人間の心に向き合い
小さな響きと悟りを伝えようとする。
1792年9月、フランス·パリ。ブルジョア国会議員ビクトルの邸宅に、一時、彼が政治的に利用した無産階級の子供であるゼルベが訪れる。
激変する時代の中で早く大人になってしまった子供は
革命は終わったと言う昔の師匠に銃を向け、このまま死ぬのか、それとも違う生き方をするのか聞く。
過去のある瞬間に自分が先にした聞き慣れた質問が返ってきた現在、ビクトルは二人が一緒に過ごした革命の時間の中に隠されていた目標を話し始める。
革命が進む5年間、ヴィクトルとゼルベが向き合った2度の別れと3度の出会い。