「もし私があなただったら」
3/16
「どこかで見たような話」「既存の大学路作品の焼き直し」開幕以来そんな評価が多くて、見ること自体迷った作品だったが…。
いやだ、ちょっと!面白かったけど?ナンバーも聞き応えあった。(似ていると言われる作品に詳しくないので、私には新鮮という可能性もある。)
思わず次を見てしまうドラマみたいに、とりあえず次が気になって、緊張感が途切れなくて。
予想通りの反転でやっぱりと思ったら、もう一ひねり来て、そういう事かー!!と。
① 素で向かい合っている表向きの2人の会話
② 会話のテーマになっている小説の朗読、もしくはなりきり再現
③ それぞれ相手を観察しながら描写している2人の独白(新たに書いている12番目の作品の文章なのかもしれない。)
④ 時々挟まる、取り調べを受けている現在のカン・イノ?
構成が重層的なのでとなるけど、だからこそ余計にスッキリ理解したくなる。
スヒョン作家を演じるオ・ジョンヒョクさん。線が細いというか、悪くすると影が薄いイメージを持っていたが、知的だが傲慢で、神経的にピリピリした感じのこの作家にはとても似合っていた。今まで見た役の中で一番魅力的だったかもしれない。
イノ役のソンテ君との出会いは、前シーズンの〈ベアザミュージカル〉のマット役。その時以来気になる人である。声が良い。歌が上手い。情熱を感じる。アツいイノがとても良かった。
5/25
分かった。なぜ好きなのか。
心理戦だからだ。心理劇ではなくて心理戦。
小説の完成が至上目的である点が〈狂炎ソナタ〉と比較される所以と思うけど、心理的な駆け引きとしてはこっちの方が面白い。〈ソナタ〉は丁々発止と駆け引きをするわけじゃないから。
敵対する2人がある意味、世界で一番の理解者だったり協力者だったりする点もアイロニーで面白い。
今回は台本に目を通して行ったので、前回より理解度は大幅アップ。かなり早い段階からお互いが相手の思惑を知った上での駆け引きだった。知りながらの「敢えての選択」で、心理を読み解く面白みが増したかもしれない。
ジョンヒョク作家もインテリっぽくイッてる感じが良かったけど、ねちっこい声でより偏執狂的なインテ作家もまた良かった。
ソンテ君も負けずに爆声で、音楽的にも非常に満足度の高い公演だった。
撮影日があったので、中継を期待している。