コロナ期間中だった2021年の3演バージョンの中継を見る機会はあったが、舞台を直接見るのは初めてだった4演の〈アガサ〉が先頃終演した。
2021年版は録画の問題なのか、元々の演出なのか、どうも舞台が暗くて地味に見える。
ユニプレックスからリンクアートセンターに場所を移し、舞台を一新した新アガサはとても豪華だった。リンアセンの客席が急傾斜で舞台も高さがあり3層になった舞台装置。上下左右の空間を効果的に使っていたし、何と言っても設定によって変わる壁の映像が華麗だ。
ストーリーも変更があった。難解な推理小説から気軽に楽しめるレベルに変わった感じ?
アガサと他の人物との関係性、その見せ方が整理された気もする。
例えば最初からアガサを見るベスの視線の先にはナンシーがいる。彫像が倒れてナンシーが怪我をするシーンは、舞台上にいたアーチ、ベス、ナンシーが目配せし合ってから偽装する。
ベスが幼い頃のアガサのエピソードを語る蝶のナンバーはカット。エドモンドが苦しむ終盤のナンバーもカット。
アガサが発見されてホテルから出てくると、登場人物たちが実際に出迎える。不躾にアガサの話を聞こうとする記者をアーチが怒って嗜めるところを見ると、現実のアーチはアガサのイメージほど嫌な奴ではなかったのかな?と思う。
現実世界に繋がったアガサのイメージ世界と、イメージとは異なる現実世界があるんだろうか。その辺を区別しながら見ると良いかもしれない。
色々バージョンアップされた4演に比べると、3演は物足りない部分もあるが推理物としてなかなか面白いので、よろしければINDEXからどうぞ。
うちの偽末っ子も出ているこちらのキャストも好きなんだけれど、頭が切れてしまっているので…。
字幕はないけど歌詞ページの2幕部分はこちらを使っているのでよろしければそちらもどうぞ。