フルネームは〈ザ・テイル・エイプリルフールズ〉だが長いので省略。
訳していると、俳優の言葉と動作、感情が、文字で表された文章にどれほど多くの意味を付与するのか、感動すら覚える。そして音楽の力も。
文字だけでは、ほんの限られた情報しか伝えられない。こんなに面白い作品が字幕付きで配信されたら本当に素晴らしいのだが。
正直、〈メリー・シェリー〉より良くできていると思う。〈ザ・テイル〉の方がキャラ立ちするので有利かも。〈メリー・シェリー〉ができたなら〈ザ・テイル〉も配信してくれ!
アイドルがいないから無理か。大学路のアイドルならたくさん出ているんだが。
せめてNAVERでとも思うが、先日撮影日の発表があった時に、制作側の記録であって外部には流さない!と注意書きが添えられていた。エイプリルフールなだけに嘘だったら良いのに。
1つ言うと、この作品の難しさのひとつでもあるキャラクターの境目の曖昧さが印象に残っている。
一般的な1人2役は、衣装を変えたり、声を変えたり、照明が変わったり、人格の切り替わりが分かりやすいものだが、この作品はそれを敢えて曖昧にしている。必然性のある曖昧さと言おうか。
例えば、現実のバイロンとジョンが小説の中のルースベンとオーブリーについて語っているかと思うと、まるでルースベンとオーブリー自身であるかのように振る舞い始める。もしくはルースベンとジョンの会話の場合もある。過去のバイロンとジョンの思い出話に変わるかと思うと、舞台の上にいるのは思い出ではなく(実際の)過去のバイロンとジョンのようでもあり、そしてまた瞬時に現実のバイロンとジョンに戻っていたりする。
「何言ってんだ?」という説明だが、混沌とした雰囲気が伝わるだろうか。どんな些細なヒントも逃さないように息を潜めて見守っていなければならない。緊張感が途切れない100分だ。
分からなくて興味を失う作品と、分からないからもっと知りたくなる作品の分岐点はどこだろうと思ったりする。この作品はもちろん後者だ。
待ちきれなくもあるが、映像であれ現物であれ、実際に見た段階でこのセリフ、あの動作の意味は何?と質問したり、様々な解釈を聞いたりする日を待つことにする。
以下はネタバレに通じるかもしれない、私が気になったセリフ。ほぼバイロンのもの。(流れを先導していたのはバイロンということか。思えばこれも最後につながると言える…。) ここに記録しておく。
歓迎しよう、現実にようこそ。
私は本物のジョージ・ゴードン・バイロンだ。
だが、なぜ書いたんだ?
そう言うしかないだろうさ。真実は言えないだろうから。(ミンジンバイロン:君は真実を言うのが嫌いだからな。)
誓いはむやみにするものじゃない。よく知っているはずだが?
じゃあ誰に見せたかったんだ?
ルースベンが世の中に出てきたかったらしいな。
好奇心/採用する/何度も驚異的に姿を変える蝶
(ジョン)そしてその欲望の果てに捨てたんです。無残に!ええ、それは呪いでした!彼に慈善を受けた人々は皆、悲惨な不幸を経験しました。
好奇心!イアンテがヴァンパイアを求めている。ヴァンパイアは人間の好奇心に応える。だから私が彼女に会いに行かなければならない。私を求めているから。
(ジョン)僕に一体何を望んでるんだ!
(バイロン/ルースベン)小説の中に隠した真実。
君は最後まで自身を否定しそっぽを向いた
それが君の罪であり、君を信じた私の罪
君を閉じ込めたこの監獄を
不完全な世界を燃やして
真実を隠した罪で
私が君に罰を与える