ジョン・ポリドリ:…嘘だ。
1819年4月1日
「ニューマンスリーマガジン」特集号
時代の風雲児バイロン男爵の新作
恐怖小説「ヴァンパイア・テイル」出版
そんなばかな!
♪♪♪
4月 最初の日
どんな嘘も 許される日
4月 最初の日
どんな悪戯も 許される日
僕が投稿したこともないのに、どうやって世に出たんだ?
♪♪♪
僕が 夢を見ているのだろうか
幻を見たんだろうか
狂ってしまったのか
ありえない
神の悪戯か
これは夢に違いない
きっと嘘なんだ
ありえない
僕が作った話に
残酷に刻まれた あなたの名前
僕はなぜ 自分の小説の
作家として残れないのか
全てがどうか 夢だと言ってくれ
朝が来たら 目覚められるように
神よ 全てが冗談だと言ってください
明日には抜け出せるように
あの空の太陽は 僕を照らさず
僕は今でも 彼の影の中にいる
素知らぬ顔で 時がこれほど流れても
僕はまだ 悪夢の中にいる
(ジョン、極度のストレスによる頭痛に襲われモルヒネを飲む。)
4月 最初の日
残酷に消された 今日
4月 最初の日
早く目覚めたい 今日
悪夢のような日
(雷鳴と共にジョンが幻覚状態に陥り、音楽が高まると窓辺に立っているバイロンの姿が見える。倒れているジョンに近づき手を差し伸べると、吸血鬼であるかのように彼のうなじに顔を寄せる。暗転。)