アンナ・カレーニナ 観劇の感想 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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昨年はスケジュール的に3回しか見られなかったので、とても楽しみだったアンナ・カレーニナ。

今年初めての観劇の感想を残そうと思います。

とても気に入った作品の再演というのは、期待が高すぎて残念さを感じてしまう運命なのだろか。

しかもオク・ジュヒョンさんで気に入った作品は更に他の俳優を受け入れられなくなる?

それでは昨年アンナのWキャストだったチョン・ソナさんは見劣りしていたか?いえいえ、ソナさんのアンナも大好きでした。だからオク様でなきゃダメなわけではないはず。

今回こんな書き出しになってしまったのはなぜか?去年ほどの感銘を受けなかったのはなぜか?

思い当たるのは、ブロンスキー役のキム・ウヒョクさんにあまり色気を感じられなかったことかな?

強いしなやかな歌声でお上手なんです。もしメッセラだったらそれでいいのよ。張り詰めてて気持ちいいと思う。

だけどブロンスキーだから…もう少し湿っぽさとか、セクシーさ?クラっと酔ってしまう何かが欲しかったですね。

それでもストーリーが進むにつれ、ブロンスキーとして受け入れてたようにも思います。もしかすると、ちょっと気持ちが冷めてきた感じは良く合っていたのかもしれない!

俳優の責任ではないですが、ブロンスキーのナンバー2曲の歌詞が変わっていたこともマイナス要素。昨年の歌詞は若干文語調で詩的だったので、愛の物語に相応しい響きがあったけど、今年のバージョンは口語的かつストレート、単純な歌詞に変わっていた。なんだか興ざめ。もしかすると色々なセリフも変わっているのかしら?そこまでは把握できませんでした。

アンナはキム・ソヒョンさん。実はあまり得意ではないのです。特にクリスティーヌのようなキャラはもはやキツイのではないかと。(やっぱり言いたくてこっそり追記: 美しいソプラノの最盛期は過ぎたとも聞きますが、それより大きな苦手の理由は発音の仕方。母音を不自然なほどはっきり発音しようとするのが鼻につくのです。滑舌を良くしようとする努力の現れかもしれないけど、昭和の昔の童謡歌手みたい。若い人は知らないか。とにかく不自然ショボーン)

アンナみたいに大人の女性は合いそうなので今回は楽しみにしていた。まあまあ大丈夫でした。子供に会えなくなったことでおかしくなっていくあたりの演技はさすが子を持つ親。説得力がありました。スティーバからオペラに誘われて、ブロンスキーに会いに行き、止められたのに結局はオペラ座で非難の的になっていく。その流れに引き込まれました。

そこに登場するパティ、天上の声のアリア!その歌声を聴いた時のアンナの表情はとてもインパクトがあり、クライマックスに相応しい緊張感のあるシーンでした。

(ここで突然、なんと! 隣のオバサマがスマホを取り出し、キャストの確認を始めたのです。ゲロー 一瞬確認して消すならまだしも、ずっと手に持ったまま色々見ている。気にするな!集中するんだ!この瞬間を逃してどうする!…無理でした。チーン)

母性の強いアンナがなぜ出奔してしまったのか。どれほど拘束されて生きていたのか。なぜ戻れと言われたのに戻らなかったのか。当時の背景を理解すればより深く味わえたかもしれない。


音響の問題なのか、相性の問題なのか、主演の2人の声が溶け合わなくて、デュエットのバランスが良くない気もしました。

さて、MCはチョヒさんでレビンはカン・テウルさん。お二人とも「笑う男」でドリモア卿を演じていらした。

MCは背が高くて、人間ではないもののように揺らがず不気味。踊りもキレがあってカッコいい。息が切れたりせずに歌い続けられるってすごいと思います。オープニング最後の高笑いは、すごく低い声から始まったので余計に不気味。存在感のあるMCでした。

テウルさんは品性下劣なドリモア卿だったのに、レビンになったらとても純朴で可愛いくらい。キティが自分以外の人を待っているなんて、まるで疑ってない。農村の仕事に喜びを感じている本当にいい人。失恋ソング(家へ)が以前は間抜けに聞こえたけど、とても素直な人が素直に歌ってるんだなと受け入れやすくて、素敵なレビンだった。


去年から気になっていたのはカレーニンの友人のベッツィ。エリザベートの母親ルドビカでいい味を出していたハン・ジヨンさんが今年も演じておられる。そんなに大したことじゃないんですが、王族(違った?少なくとも貴族)なのに、酒場の女主人のような趣を感じるのは私だけだろうか。


最後はキティ役のイ・ジヘちゃん。彼女はどうしちゃったんでしょう(反語法)。アンナが必死に演じてるように見える一方、語るように歌い、演技も余裕。彼女の方がベテランに見えました。


今度見る時はまた違った感想になるんだろうな。その時その時、新たな気持ちで観劇したいと思います。