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今月のジキルとハイドは、チョ・スンウさんは1回だけ、ホン・グァンホさんを2回見ましたが、私が見に行った回に大変なことが起こりました。ホン・グァンホさんの声がひっくり返った事件。実際のところはひっくり返ったと言うほどではなく、わずかにピッとなる水準ではありましたが、これまでただの一度も歌うときにこんなミスをしたことのない方なので、逆にレジェンドになりました。それに特に体調が悪かったわけでもないから、ミスをした後に、忌々しそうな表情を一瞬されたんですが…すみません…ご本人はとても嫌だったでしょうが、私には良かったです。
少し前こんなコメントがありました。ハイドがなぜルーシーを殺したのか。ハイドが殺した人たちの中で、唯一ルーシーだけが理事会に出席していなかった人物ですよね。
私はハイドがルーシーを殺した理由は、ヘンリー・ジキルに対する劣等感だと思います。どうしたって本体はジキル、そしてそこから生まれたのがハイドなので、ハイドはジキルに対し劣等感、自虐心のようなものを持たざるを得ないですよね。ハイドは存在しているようで存在していない人物だし、ジキルはジキルとして完全に生きてきたからです。
そのようにして生まれたハイドが、唯一ルーシーにだけはハイドとして完全に存在することができたわけです。2人のセリフとか歌詞を見ると2人の交流は非常に多かったことが分かります。ルーシーはハイドが自分の秘密まで知っていると言うし、ハイドは、「あいつ(ジキル)と自分は全てを共有している、まるでお前と俺のように」と言います。
それなのに、そんなルーシーまでが、ハイドではなくジキルを愛しているんですよ。常に否定されている自分の存在に、完全な存在として相対してくれる唯一の人さえもジキルを選択したのですから、ハイドの忿怒は極限に達して当然です。