Last Stage
「どうしても行きたい」
リーダーに伝えた
ただし
最終日のため
絶対に制限時間内に
ゴールする事が
大会側からの
条件だった
「絶対に時間内に行く」
そう決めてスタートした
ところが
話で聞いていた
Last Stageとは違っていた
Last Stageは
えっ
もう終わっちゃうの
て くらいだから
と
レース経験者の
メンバーが言っていた
しかし
今回のレースは
違っていた
そう…今回は
Special race
《Special race》
レース開催をしている団体は
元は「4deserts」と言う団体
Special raceは
あらゆる耐久レースを
完走してきた強者からの
「もっと難しいコースのレースを」
と言う要望が多くあったため
大会側が
「わかったやりましょ
」
と、言ったかどうかは
定かではないが
その要望に答える形で
開催が決定したのが・・・
何を隠そう
ニュージーランドのレースだった
しかも、コースを考えたのは
プロのクライマー
と言うのを
現地でレース中に知った
初心者が
チャレンジしちゃいけない
レースだった訳です
膝より上まで浸かる
どろ沼わたり
急な斜面の山肌を下る
沼では、足がはまり
抜けなくなり 徐々に沈んでく
パンツまでビッショリ
メンバー二人が
ストックで引き上げてくれた
そして
最後の難関の
山肌下り
ここでも
メンバーが
フォローしてくれた
大丈夫だよ
翔ちゃん
滑り落ちても
絶対に支えるから
安心して
私は、何度滑り落ちただろう
その度に支えてくれる
私は、滑り落ちる度に絶叫
恐怖で震えが増す
一度
フォローしてくれていたメンバーが
滑り落ちた
大絶叫した
涙が止まらなかった
私をフォローしてくれる為に
彼は、多くを後ろ向きで
山肌を下っていた
危険じゃない訳がない
彼には
メダル獲得がかかっていた
途中で、初日から
いつもそばにいてくれたメンバーが
「先に行け
メダルがかかってる」
そう言って、ゴールに
向かう様に伝えた
その後は、最後まで
初日、ゴール前に荷物を置き
迎えに来てくれたメンバーが
フォローしてくれた
しかし
彼の両膝は
かなり深刻な状態だった
それなのに
手を繋いで
前を歩き引っ張ってくれる
大丈夫
滑り落ちても
絶対に支えるから
だから諦めんなよ
翔ちゃんっ
そう言ってくれる
私は、一体何人のメンバーに
支えられただろう
恐怖で涙が止まらない私に
「はいはいアンヨが上〜手
」と
言いながら手を引いてくれる
レース終了後
「アンヨが上手って言ってるのに
翔ちゃん、大泣きだったもんなぁ」
と笑いながら言われた
長い山肌下りが終わった
足に力が入らない
膝がカクカクする
ゴールが近づいて来た
太鼓の音が聞こえた
すると、リーダーの声が聞こえた
「翔ちゃん走れ〜っ
」
直後に、転び足を盛大に挫く
なんで こんな時にコケるの
なんのコントだよっ
しかも痛すぎて声が出ない
「立てるか
あと少しだよ頑張れ
」
と、立たせてくれる
立ち上がり、歩き始めたけど
激痛が走った足が止まる
激痛で声も出ない
先に行くように伝えた
すると
オレは
翔ちゃんと一緒に
ゴールする為に
今ここに居るんだよ
と言ってくれた
もう
どんなに感謝しても
しきれない
すると
なんと走れた
めちゃ痛かった
だけど足が前に出る
・・・・・・・・・
そこまでは覚えてる
その後
ゴール前までの
ほんの数分間の記憶がない
どうやら
私は めちゃ走ってたらしい
後からメンバーが
「最後の しょうちゃんの走り凄かった」
と言ってくれたけど
全く覚えてない
だけど、制限時間前に
みんなが待ってくれてるゴール前に
到着することができたのは確か
そして念願の
25人で
ゴールする事ができた
ゴールすると
他国の選手、大会スタッフが
アーチを作り通してくれた
ゴールには
日本から応援に来てくれた仲間が
待ってくれていた😫
みんなでゴールできた事
知っている人たちが
ゴールに居てくれた事で安心して
大泣きしてしまった
メンバーに
「翔ちゃん、大泣きやーん」
と、突っ込まれ爆笑されてしまうくらい
ゴール直後の、大会側が準備してくれた
コーラと、サンドウィッチ
美味しかった
✼・゚'✼・゚'✼・゚'✼・゚'✼
こうして
一週間のレースが終わりました
永遠に続くんじゃないかと思うほど
長かった様な…
あっと言う間だった様な…
人生最大のデンジャラスな
大冒険でした
だけど
間違いなく人生で最大の
素晴らしい体験でした
✼・゚'✼・゚'✼・゚'✼・゚'✼
レース後にホテルまで
ドロだらけのまま向かった
そして
一週間ぶりの
シャワーーーっ
しかし
身体が思うように動かない
ウェアを脱ぐのも一苦労
気持ちは
とっくにシャワー浴びてるのに
実際は
まだウェアすら脱げていない…
そんな状態だった
乾いたドロが
ポロポロポロポロポロポロポロポロ…
永っっっ遠に落ちて来るんじゃないか
ってくらい落ちて来る
もう
どうにもならない
そんな感じ
一週間ぶりのシャワーは
まあまあまあまあまあまあ…
大〜〜変…
頭は、4回目位まで
シャンプーが
泡立たない
まっっったく
泡立たない
あんなに泡立たないってあるのね
5回目位で普段の3分の1位泡立って…
みたいな感じ
結局、何回シャンプーしたんだ
数えるのも嫌になった
身体も
ボディソープが
泡立たない
…結構洗った
その後パーティがあり
お酒と
美味しい食事と
スイーツを食べた
パーティでは
チーム準優勝
そして
スポーマンシップ賞
を貰った
スタッフ、全選手の
「HappyHappy
」は
最幸だった
そしてそして
一週間ぶりの
お布団
さぞかし
眠れるだろう
あっと言う間に
夢の中だろう
と、思いきや…
これが、なかなか
寝付けない
なぜ
疲れてるのに
眠いはずなのに
なんだかなかなか
寝付けない
あれは
なんだったのかしら
いつのまにか
寝てました
☆。・:*:・゚'★。・:*:・゚'☆
私は
もっと年齢を重ねた時に
迷っている若い子たちに
「なんでも
チャレンジしなさいっ」
と
言ってあげる事ができる
おばあちゃんになりたいのです
「余計な事を言わないで下さい」
と言われたら
「余計な事を言って
子どもの夢を潰しているのは
あんたたちだ」
と
言い放てるくらいの
ファンキーで
変な、おばあちゃんに
なりたいのです
「こんなチャレンジしたんだよ~」
って、話したいのです
「ばーちゃん
怖いもの知らずだな」
って、言われたら
「でも、忘れられない
大切な宝物の思い出だよ」
って、話したいのです
子どもたちに
熱くるしいくらいに熱く
語れる話は、ありますか
では、また