ザクザクの衣は、食べていると口の中でソースとなる「松戸 とんかつ 三太」 | じきの食歴

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昭和47年創業で、食べログの「とんかつ百名店」にも選出されている松戸の「とんかつ 三太」。
先代が2019年3月に閉店した新宿の「とんかつ 三太」にて修行し暖簾分けしてもらいオープンした店で、現在は息子さんが後を継いでいる。
新宿の三太同様に手で千切って作る自家製パン粉のザクザクした食感を踏襲しながら、こちらでは半熟卵を使った独自のソースがあるとのことで訪問してきた。
松戸駅からは歩いて10分程の住宅街の中にあり、店先には8台分の駐車場もあるので車で来店する家族連れも多い。
席もカウンター、テーブル、小上がりで40席以上あるが、それでも記帳して入店待ちとなることもある人気店。
訪問したのは、日曜日の12:45だったが一巡した後だったのか空いていてすぐに席に案内された。
注文は、ロースカツ定食(1480円)とソース用半熟卵(100円)。
事前に席に用意されていたすり鉢とその中に入ってる胡麻を擦りながら出てくるのを待つ。
ネット上のレビューでは出てくるのが遅いとの指摘もあるが、注文して15分ほどで出てきた。注文してから準備して揚げてたので、作業が遅いわけではなく、客席が多いので注文が重なるととんかつを揚げるのが大将1人だけなので時間がかかるのだろう。
衣は、新宿にあった三太ゆずりで、かなり粗目。
同じ作りだとすると、店主が手で千切って作る自家製のはずだ。
キャベツは細切りで、かなり大量に乗っている。
先ずは、何もつけずにいただく。
肉の厚みは1センチぐらいで、少し固め。
これをしっかりと噛んでると、ザクザクの衣は口の中でソースとなる。
カツの揚げパンをいただいているかのようだ。
揚げ油は、動物系の風味があるので、ラードと植物油をブレンドしたもらしく香ばしい。
これだけ衣がついてると皿の上に油が残るのだが、それもほとんど無く、綺麗に油が切られている。
つづいて塩を少しふっていただくと、今度は肉の風味が際立ってくる。
そして今回の目的である、半熟卵を用いたソースでいただく。
このソースは、注文した半熟卵に自分で卓上にある甘めの自家製ソースを卵黄と同じぐらい入れて混ぜてつくったもので、その作り方を説明したものもメニューの中に掲載されている。
で、このソースがこのザクザクのパン粉と絶妙にマッチしている。
普通、卵液等にパン粉を浸すとドロドロベチョベチョしてしまうが、厚めのパン粉なので表面に卵液とソースがまとわりつき、その下にはザクリとしたパン粉の触感と香ばしい香りが残ったままとなっている。
そこに噛みしめたら溢れだす豚肉の油が組み合わさり、唯一無二のとんかつへと変貌する。
実にバランスの良い組み立て方だ。
そして余った特性半熟卵ソースは、あえて残しておいたライスにかけていただく。
これがまた旨い。
ああ、そうか、自分かつ丼好きなので、こういったカツと玉子の組み合わせが実にしっくりとくるのかもしれないと、ここで気づいた。
今回は、ちょうど油を変えたタイミングだったのかもしれないが、他のレビューにみられるように食べたあと胃もたれするといったことも無かった。
次来ることがあれば、卵液をたっぷりつけたカツを数切れごはんに乗せて、その上から特性ソースをかけてかつ丼風にしていただいてみるのもいいかもしれない。

 

 

とんかつ 三太とんかつ / 松戸駅
昼総合点★★★★ 4.0