ラブリアンツァにて「パニーノ・コン・ミルツァ」というモツバーガーをいただく | じきの食歴

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世の中には、美味しいいもので溢れている。
そんな美味なる料理やお酒の記録を食の歴史として記しておこう

初めてのハンバーガーだった。
柔らかく煮込まれたモツの旨味の洪水はそれ単体にとどまることなく、カチョカバロの酸味を取り入れバンズの中まで浸食している。
表面はカリリとしたバンズとその中身の触感の違いも面白い。
そしてさらに、半分食べた所で、レモンを絞って、その果汁をたっぷりとかけていただく。様子見などせず、全力を絞り切るぐらい、たっぷりとかけたほうが良い。
それまでモツの甘い香りが漂っていたバーガーから、レモンの爽やかな香りが沸き立ち、ラードの旨味をより一層引き立てる。
一応は、ハンバーガーなのだろうが、これはもう別料理だと思って食べたほうがいいだろう。
そんな、衝撃的なハンバーガーだった。

シチリアのパレルモの屋台料理「パニーノ・コン・ミルツァ」というモツバーガー。
それを、イタリアンの貴公子こと、ラブリアンツァの奥野シェフが再現した。
しかも、先日食材でありながら、ゴ・エ・ミヨ 2021版においてイノベーション賞を受賞したサカエヤの新保吉伸さん手当ての近江牛モツに、愛農ナチュラルポーク100%のラードを用いて、吉田牧場のカチョカバロをたっぷりとかけたもの。
甘く上質なモツの旨味がたっぷりのラードと一体化し、その旨味のジュースは、国産小麦と全粒粉のバンズにたっぷりとしみ込んでいる。
当初、2/13から3日間限定で1日70食カウンターのみで提供するとのことで、初日に1番乗りで伺ってきた。
奥野シェフとも少し話をすることができたが、やはり今回も色々と試行錯誤されたようで、本当はレバーは使わずにチレを用いるのだが、それだけだとパンチが足りないとのことで少しレバーも入れて味の調整を行っているとのこと。
なるほど、小腸や胃袋では表現できない肉々しさは、そうやって表現されていたのか。
なお、本来は既に提供を終了しているはずだったのだが、好評につき、今週金曜日まで提供を継続するとのこと。
まだの方は、この料理を堪能してみてもらいたい。