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古稀を過ぎたトリトンのブログ

団塊世代よりも年下で、
でも新人類より年上で…
昭和30年代生まれの価値観にこだはります

 最近は鉛筆を持たない子どもたちが増えました。持っていても精々小学生の低学年くらいで、高学年になりますと、シャープペンシルが主流となつてしまひ、筆箱を覗いても、蛍光マーカーや定規にシャーペンが1、2本と、消しゴムが一つあるだけです。

 私どもの小学生時代、親や親戚からの誕生日プレゼントは鉛筆3本といふことが多かつたです。学級の若干お金持ちの友人は二十数色の色鉛筆を貰つてゐたりして、それをうらやましく感じたものでした。

 

 したがひまして、今では鉛筆削り器はなかなか目にすることが減りました。私の勉強机と言へば、端の方に鉛筆削り器が固定してあり、手動で回すものでした。勉強ができる兄は電気式を買ひ与えてもらひ、鉛筆の先端を差し入れますとグウィーンといふ音と共に、先端が針のやうに尖つた状態となつて出て参ります。

 

 削り器の下には、削りカスが溜まる箱があり、このオガクズを集めてをいて、たき火の際に着火に役立てるといふ事もございました。さう言へば、今では家の表でたき火することさへ「野焼き」とされて法で禁じられてゐるとか… これでは、今どきの寒い季節に落ち葉を集めて焼き芋を作ることさへ出来ません。世知辛い世の中になつたものです。

 

 さうさう、鉛筆の話でしたね。

 鉛筆は最初は丸いものだつたと存じます。六角形が現在でも最もポピュラーですが、私の記憶では、三角形、正方形といふ形の物がございました。おそらく丸い鉛筆では、机の上を転がるため、形が進化して行つたものと思はれます。

 一昨年、息子が大学受験の時でした。大学を選んで、受験料を銀行に振り込みます。すると、三井住友銀行でしたが、窓口の行員さんが「頑張つて下さい」と言つて鉛筆二本入りの袋を下さるのです。開けて見ますと、珍しくも五角形をしてをります。側面には「合格(五角)祈願」と書かれてゐるではありませんか。なかなか粋なことをなさる…と少し感動しました。

 

 

 さて、鉛筆は必ずしも勉強にだけ使用されるものではありませんでした。

 ある日、悪ガキの友人が珍しく「おい、トリトン。鉛筆貸してくれや」と声をかけてきたのです。あの漢字も書けない奴が、珍しいこともあるものよと訝りながらも貸しました。昼休みのあと、返しに来たその鉛筆の側面には、一から六までの小さな数字がマジックで記入されてをりました。どうやら、サイコロ代はりに使用してゐたやうで、笑つたものです。

 

 私が小学生の頃は、女子児童の筆箱の中には、普通よりも少し細いもので、パステルカラーの鉛筆が数本入れてあり、削つた先の木の部分から好い香りがするのです。「香水鉛筆」と称し、憧れの男子児童にはこれをプレゼントするといふ習はしがあつたさうです。残念ながら私はいただいたことがございませんでしたが、子どもたちの生活の工夫といふものは、時代を越へて刮目すべきものがあるやうですね。