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古稀を過ぎたトリトンのブログ

団塊世代よりも年下で、
でも新人類より年上で…
昭和30年代生まれの価値観にこだはります

 

 今年2月20日に「歌舞伎の日…に因んで」といふ拙稿をアップ致し、私の母校・甲南大学の歌舞伎文楽研究部、そのOB・OGの活躍をご紹介申し上げましたことがございます。その際に、OGのお一人、さつき緑秀次さんが経営する大阪市西区新町の「新町・源九郎」といふ粋な割烹をご紹介申し上げました。

 この店は、緑秀次さんのご長女で、やはり日本舞踊をされてゐる「さつき緑万寿(みます)」さんもまた、お手伝ひされてをります。とても可憐な女性で、もちろん大の人気者です。

 

 その緑万寿さんが4、5年前、関西で舞台芸能に携はる女性だけが集まる「女子会」で皆と語り合はれた時、漠然とではありましたが構想を抱いたと言ふのです。私は当時源九郎で呑んだ際に、彼女からその構想を聞き、言ひ知れぬ頼もしさを感ずると共に「これは本気やな」といふ強い印象を受けたのを覚ゑてをります。

 

 嬉しいことに、その予感(?)は当たつてをりました。

 実は今年3月に、この緑万寿さん(本名・向平美希さん)が、MBSラジオ「ありがたう浜村純です」に出演されました。お母上からご連絡があり、私も拝聴致しました。車を運転中でございましたが、その談話の内容に胸の高まりを感じ、はたと膝を叩きました。

(運転中の危うい行為はやめませう)

 

 

 彼女は構想どほり「関西伝統芸能女流振興会」を発足、自主公演や今後の活動内容を浜村氏に熱心に説明するのでした。明るくて利発な彼女の語りは浜村氏ならづとも聴者を感動させたのは疑ひございません。

 

 

 そして昨日「伝統芸能を愛する女性たちが創りだす新しい舞台のかたち」といふキャッチフレーズで、その会が主催する「第2回ましろ会」が、尼崎ピッコロシアター大ホールにて午後2時より開かれました。

 常磐津「釣女」を甲南大学歌舞伎文楽研究部の部員諸君が。そして彼女、さつき緑万寿さん自身が、常磐津「独楽」を演じられました。観客にお子様連れが目立つ中、この催しが嬉しいのは、いづれかと言へば敷居の高い「日本舞踊」を、初めて見る人にも馴染めるやうに、司会者はじめ出演者も含めて解りやすく事前に説明してくれることでした。

 就中(なかんづく)、「大道具」といふ普段人目に出ることの無い舞台の構成スタッフの役割を、これも女性のプロが面白く説明して下さる、さういふコーナーを設けられたのは特筆に値すると思ひます。

 また「釣女」「独楽」共に、日本舞踊を初めて観る人にとつて最も親しめ解り易い番組を用意された企図もまた嬉しいものでした。

 

 

 加へて、この催しに「香り」といふ目新しいテーマを持ち込んだ、嵯峨美術短大の学生さんらによるユニークなお土産も、観客から喜ばれてをりました。

 

 

 私自身は甲南大学では應援團でバンカラな舞ひを演じをりましたが、その團も今は解散状態です。しかしながら同じ後輩にして「演劇祭」出演の同志=歌舞伎文楽研究部員の諸君が、僅かな部員数の苦境を乗り越ゑて女性の部長を中心に、かうしてOB・OGのサポートを受けて舞ひを演じてゐるのを観るのは、羨ましいと同時に、個人としては無力感に囚はれます。應援團の復活には女性の力が不可欠な時代なのでは…と痛感致す一日でございました。