この拙ブログでもお馴染みになりましたが、昨日、加古川市志方に在る「三島由紀夫先生慰霊の碑」にお参りし、清掃奉仕を行ひました。
私どもが始めてすでに四半世紀に及ぶ顕彰行事で、僅かな同志や身内に呼び掛けたに過ぎぬにも拘らず、昨年以上に多くの方々が駆けつけてくださいました。
紅葉の名所・法華山一乗寺にほど近い「玉の緒地蔵尊」ですが、本格的な紅葉には少々早く、道中もみぢ狩り観光らしき方々の姿は少なかつたやうです。
慰霊碑付近は、当日午前中に地元の連合自治会や乗馬クラブのオーナーの方々が国旗を掲揚、清酒をお供へ下さいました。三島先生の本籍地であることを誇りとされ、私どもの地味な慰霊清掃にもご理解いただいてをります。
この日の参加者は20名。私どもは清掃後、慰霊碑前に集合し、三島先生の詩「英霊の声」を高らかに朗読しました。
三島先生の作品の中で二・二六事件三部作のひとつ「英霊の声」。英霊の命を蔑ろにすると同時に天皇を「人間」に貶めてしまつた終戦後の我が国の惨状を嘆く特攻隊員と青年将校の怒りが主題となつてをります。喩へ悪念と罵られやうとも、この中の詩「英霊の声」朗詠するほどに、市ヶ谷台上にて最期の演説を奮はれる三島先生と森田必勝青年の姿が彷彿と甦ります。
朗読が終はると、参加者それぞれが準備した弁当を囲み、お供への清酒を開封して直会を行ひました。前日の大雨を払拭した長閑な日差しの中、赤や黄に色づいた山々を眺めつつ、三島先生がご存命の時でさへ叶はなかつた日本の今後の恢復如何と、経済優先どころか経済売国奴に言はれるまま移民国家へ舵を切らむとする未曾有の暗愚政権を思へば、心中は暗澹となるのでございました。 〈完〉