お稽古ごとーー絵画編〈1〉 | 還暦を過ぎたトリトンのブログ

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団塊世代よりも年下で、
でも新人類より年上で…
昭和30年代生まれの価値観にこだはります

 

 あまねく親といふものは、我が子に何らかの可能性があれば、それを伸ばしてやりたい…といふ願望がございます。そのために幼き時分より様々な「お稽古ごと」をやらせます。仮にそれが全て徒労に終はることになつても、今後生きてゆく上で何らかの形で「きつかけ」となるのではないか…、まあ最低限でも友達くらひは出来るだらう、といふ気持ちで親は居ます。さういふ親心を当の子どもが知るのは、おそらく自分が親になつてからでせうね。

 

 私も親には色々やらされました。私の意志で始めたものは何ひとつありませんでしたが、今思へば「あの時、しつかり続けてをれば良かつた」と後悔すること頻りです。

 

 そのひとつに、小学生の時の「絵画教室」がございます。自宅の近所にMといふ画家先生が居られました。スラムの風景や、廃品回収業者の建物の絵で数々の賞を受けられた有名な先生だつたやうです。最初は兄と一緒に、夕方から近所の子ども等ばかりが数十人、先生のお宅の長机に並んで、その日のテーマを描くのでした。

 題材は身の周りの物事が多く、友だち、母親に始まり、季節により海水浴、お正月、またお相撲さん、といふものもありました。1時間くらひかけて描くと、それを順番に並んで先生に見せてアドバイスをもらふといふ教室です。

 

 ある雨の日、私が傘をさして自宅から200mくらひの処に在る絵画教室に向かつて歩いてをりますと、少し前に背の高くて太つたおばさんが歩いてをりました。道のりの中程左手に立花グランドといふ洋画専門の映画館があり、その裏に草茫々の空き地があり、それを越えて左折すると、教室がございます。

 

 先ほどのおばさんが、不意に姿を消しました。私が雨傘を上げて、空き地の方を眺めてびつくり、おばさんの大きな顔が見えたのです。目が合ひました。驚いてふと気がつくと、そのおばさんはたぶん女性なのに立ち小便を致しをりました。私は慌てて目を反らし、道を急ぎましたが、どうしても気になり左折する際、傘の陰からちらつと見ますと、丁度側面からその姿勢を眺める形になりました。へっぴり腰といふのでせうか、こんな恰好でした。

 

 

 衝撃を受けた私が、教室に入る前に三たび振り返りますと、丁度小用を済ませたらしく、大きなお尻にモンペをたくし上げる所を目撃してしまひました。畢竟、私は好むと好まざるに拘はらず、その大柄なおばさんの秘密の行為を270度の角度で、分割ではありますが初めから終はりまで見てしまふ結果となりました。「秘密」と申しましても、おばさんは何ら恥ぢらふそぶりもなく、そのまま空き地を立ち去つたので、はて、私は幻を見たのではないかと考へました。しかし、教室で絵を描く私の目には、おばさんが私と合はせた大きな顔と、それより更に大きなお尻が浮かぶばかりでありました。

 

 をつと失礼、脱線してしまひました(汗っ)。あっ、さうだ絵画教室のお話でしたね。今日は今から出かけますので、また次回改めてお話し申し上げます。

 

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