「まあまあ、少し合わないうちにイケメンになったわねえ?」
「ばあちゃん久しぶり!
宇喜多さんうちの方に寄越して貰っちゃってごめんな。」
「いいのよ~大丈夫、うちの方は
他のお手伝いさん派遣してもらったから。
挨拶はいいから入って!」
母さんの実家は地元では有名な家、
歴史上有名なご先祖様がいるとかいないとか?
家業では、寺子屋時代の学校を前身に、今の学園を築いてきた。
有名なプロ野球選手が数名ここが出身だということで
スポーツの方で人気のある学校になっている。
その家の5人兄妹の末っ子の母はわがまま放題育てられた。
その最上級の我儘がオヤジとの結婚らしい。
「ばあちゃん、母がどこいったか知らない?」
「さあね?あの子って猪突猛進でしょ?
なんか一大事だみたいなこと言ってたわね?
あの子は、やると決めたらやる子だから何言っても無駄だしね?
お茶でも飲んで行きなさい。心配いらないから。」
これだよ、
俺ひとりが心配してバカみたいじゃん。
ばあちゃんが用意してくれた大福を頬張った。
「美味い!ばあちゃんおかわり!」
腑に落ちない胸騒ぎを抱きながら、
俺はその日を過ごした。