「普通の顔してよ、たかちゃん。」
「普通だって。」
『3.2.1チーズ!』
カシャッ
『3.2.1笑って』
カシャッ
『ぴーす』
カシャッ
『落書きターイム』
「うわ、恥ずかしすぎ~取り消してくれ~」
「もう!!ダメだってば。」
あたしのたかちゃんへのお願いは、プリクラを撮ること。
ふたりだけのの思い出が欲しいと思う。
少しでも多くの思い出を持っていきたい。
それが私の願い。
たかちゃんが告白してくれたとき、ちゃんと返事できなかったくせに
ほんと、勝手だよね。
それでも、照れながら私に付き合ってくれるたかちゃん。
優しい。
いつかたかちゃんが私のこと忘れちゃっても、私は絶対忘れないから。
「たかちゃん。もう一つお願いがある。」
「何?もうこういうの無しだよ、あ~マジハズい。」
真っ赤になって頭バリバリかいてる。
子犬みたいで可愛い。
「ピアノ聞かせて欲しい、コンクールの…」
「う~ん、じゃあちょっと行ってみる?」
「え??」
「こっち!」
たかちゃんは、私の手を引いて走り出した。
「ど、どこ行くの?」
「ピアノ弾けるとこ!」
繋いだ手からドキドキ伝わらないかな?
たかちゃんはどうしてこんなに普通に手を繋げるんだろ、
あたしは恥ずかしくてたまらないよ。
