慌ててガタガタっと音を立てて立ち上がる千葉は、


イタズラが見つかった小学生みたいにバツの悪そうな顔をする。


「その…これはね…あのね…」


グーの手で顔をゴシゴシする姿は、子猫みたいで、


さっきまでの落ち込んでた気分が吹っ飛んだ。


可愛すぎ


「千葉、一緒に帰ろ?」


「え?部活は?」


「中途半端な奴はいらないってさ!」


「え?」


「いいからいいから!」


カバンを机のフックから外し、


「帰ろ?」


と、ぼくの差し出した手をおそるおそるとって、


少しハニカミながら少し笑った。


なんだか、今の千葉の気持ちがわかった気がした。


部活がない2年なんて身の置き所がない。


「一人で泣くなよ。俺じゃ頼りにならいかな?」


「ん…こんどは頼る。…あ、



あのね、


お願いがあるの。


聞いてくれる?」