秘密だよ? 21
僕のカバンのポケットには秘密がある
大切な僕の恋心
「は?」
玄関の前に立っていたのは、千葉だった。
「だって、休むから。」
千葉は俯いたまま、プリントの入ったらしき封筒を、ぎゅうぎゅう押し付けながら、
ぼそぼそっとつぶやいた。
母さんがニヤニヤしながら後ろから、
「上がってもらったら?」
なんて言う。
くそ~何か弱み見せた気分だ。
「どうぞ。」
といったけど、
千葉はブンブンと首を振り真っ赤になって、
「元気ならいいの。じゃあっ」
って、帰ろうとするから必死で腕掴んだ。
「寄ってけって。」
千葉はさっきよりもっと真っ赤な顔して
コクりと頷いた。
一人で家まで来るなんて、よっぽど勇気がいったに違いない。
母さんに弱みを見せるのは悔しいけど、
このまま返すなんて男がすたるだろ?