私は呪いなんて存在するはずがないと思っている。呪いとか霊などの類いのものはただ恐怖心を煽り人々を躍らせ金を巻き上げているに過ぎない。科学的に証明できないものを信じるなんて馬鹿げているのだ。しかし自分の嫌いな呪いについて調査するはめになってしまった。
私は葉月翔(はづきしょう)警視庁で捜査一課に勤務している。
呪いのいきさつはこうだ。20年前ある有名デザイナーの女性がいて、彼女はデザイナーとしては一流だったが、プライドが高く自分を批判するものを手段なく排除する性格で有名だった。あるマネージャーの女性と対立し周りはどうなるか心配したが、彼女はその後自ら謝罪に行ったという。その時彼女は友好の証かわざわざ大量の
アクセサリーをプレゼントしたのだ。しかし話には続きがある。そのプレゼントを受け取ってから20年後に病死したのだ。
ただこれだけなら呪いと何も関係なさそうだが、彼女の亡くなるのと同時期に彼女の夫、子供も亡くなっているのだ。
これが偶然の死でないと考えるなら呪いに見せかけた殺人となるのだが、亡くなった3人は病死とされている。
3人とも初めは徐々に体調を崩し、最終的に衰弱死してしまった。
なぜアクセサリーと呪いが関係あるかというと亡くなる直前に彼女が例のアクセサリーについて急に怯えるようになったのだ。その怯えようは周りの人も非常に驚いたという。
このことは週刊紙で取り上げられ、「有名デザイナーの呪い」などと称されて騒がれ警察としてもこの不審死に疑問を持ち捜査することになったのだ。
葉月は頭を抱えた。呪いなどは信じてはいないが、捜査が困難になる予測が出来たからだ。一番は作ったデザイナーのとこに行くのがいいのだが、一番初めの所有者が死んだ直後に事故で亡くなっていた。捜査するには手がかりが少なすぎた。
仕方なく被害者宅に行き、自ら情報収集したが、有力な手ががりがなかった。プレゼントされたアクセサリーも多少量の多さに驚いたが、別段不審な点が見られない。
なんの進展もないまま過ごしているとアクセサリーをプレゼントしたデザイナーの友人が警察を尋ねてきた。
なんと呪いの真相を知ってるという。
この友人は葉月に語り始めた。
「これは直接本人から聞きました。ただ彼女も憎んでいたのも確かですけど本当に亡くなるとは思わなかったようです。」