「迂濶だった。もっと頭部と左腕がないことに気を付けるべきだった」
「どういうことです?」
柏原が話すと彼の部下がこう尋ねてきた。
「村尾は自分の左腕を切り落とし、他人の死体とまぜたんだ。」
部下は唖然と立ち尽くした。柏原はさらに続ける。
「それで指紋で自分が死んだように偽装する。指紋が村尾のしか発見されなかったのは村尾が他の指紋を拭き取ったからだ。そうした方が早く自分が死んだように断定されると思ったのだろう。」
「とにかく歯形とか他の方法で身元確認をしないとな。伝説の逃走魔にはまた逃げられたということか。」
柏原はため息をついた。