環境と組織  その3 | 起業から、経営者へ、そして・・・

起業から、経営者へ、そして・・・

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そう、先日のNIFベンチャーキャピタルの最終回答である。「何としても資金調達を成功させなければ、エイペックスジャパンの明日は無い。」と耕一は考えていた。



しかし、お気づきだろうか?社長を務める耕一の仕事とは一体何なのだろうか?「社長」とは、様々な職種出身者がいるが、とどのつまり何をしているのか本人も全くわからなくなってきているのである。つまり、「見えなくなってきていた・・・」



お昼を過ぎて、3時を回ったころに電話が鳴った。待ち焦がれていた連絡であった。受話器の向こう側でNIFの担当者の山崎が「中澤社長、先日はお時間頂きまして有難うございました。早速ですが、今回の第三者割り当て増資について社内で最終協議した結果ですが・・・・・・・・・・・・誠に残念ですが見送らせていただきます。特にご指摘に値する問題は無かったのですが・・・・申し訳ございません。また、次期のご縁がある際には改めて、お話をお伺いいたします。」

耕一は、凍りついた。これまで、幾度と無くYesかNoかの選択を待たされたり、経営者として陰で嘲笑されたりもしてきた。この年末も差し迫って、なんとも冷酷な仕打ちにも似た言葉であった。耕一は脱力し、椅子に崩れ座った。また、いつもの口の中の渇きがいつもより一層感じる。砂をかむと言うより、熱く焼けた砂が、胃袋から噴出すようである。内線で「悪いが、コーラを買ってきてくれ。それと、経理担当、在社している役員を会議室に集めて欲しい。」と伝えた。その後、耕一は鉛のように重く感じる受話器を取り上げ、大阪のネクサスに電話を入れた。程なくして、山木常務に繋がった。「どうやった?いつ資金が入るって?」耕一は「すみません。今しがた連絡がありまして、断られました。なぜだか判りません。」

暫く沈黙が続いた・・・山木常務が「わかった、こっちでも何かしら状況を確認してみるから・・・」と電話が切れた。



耕一は、会議室で数人の顔を見ながら重苦しい口を開いた。

「本日、増資による資金調達が決定する予定でしたが、残念なことに白紙になりました。」一同は、固まった。瞬きもせず、重苦しい空気の中沈黙が続いた。下田が「社長、今すぐ資金が無ければ仕事が出来なくなるわけでなければ、ここでは何も結論は出ないでしょう?それより、体制の変更をするかどうか?もしくは、ネクサスが何をどう言ってくるか考えませんか?」本間も「そうですね。今ここで騒いでもしょうがない。このことが外部に漏れないようにすることと、クライアントに迷惑かからないように、現場に細心の注意を払うべきでしょう。」と・・・

その通りである。耕一は「分かった。皆さん、よろしくお願いします。」と頭を下げた。