崖っぷち・・・7 | 起業から、経営者へ、そして・・・

起業から、経営者へ、そして・・・

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遠藤氏は、和田の会社で管理担当であり、中澤達がエイペックスジャパンの立ち上げ準備の際に手助けしてくれていたのだった。場が和やかになり、なんとなく1年も経っていないのに、昔話のように出会ったころの話に花が咲いた。

山崎氏はその中でも重みのある存在感で、和田の会社に居たメンバーにとっては、上司のような雰囲気さえあった。耕一は、その空気から信頼に足る人物かどうかを見極めようとしていた。



食事が一通り終わるころ、山崎が耕一に「中澤さん、どうだろう?相田くんと暫く話してみないか?明日以降、彼が空いているときに顔出すようにするから・・・」

耕一は、吉田の顔を見た。吉田は頷きながら「是非、是非!」

耕一は????であった。相田は「明後日、午後少し時間あれば話させてください。」耕一は「分かりました。」と答えて、その場は解散となった。



2日後・・・

相田と耕一は、エイペックスジャパンの会議室で話をしていた。

相田:「税務状況は、厳しいですね。でも、経理・計上の観点からすると非常にきれいな内容です。但し、1・2点の問題を除きますが・・・」

耕一:「問題と言うのは?」

相田:「ご存知のライセンス料支払いに伴う税金と和田氏に支払った紹介料です。これは、会計士としての視点でもひっかかります。」

耕一:「どうすればいいですか?というより、この問題以上に、今後の経営において何か打開策は無いのでしょうか?」

相田:「私も、今ここでは即答は出来ません。ただ、個人的な意見からすると御社のやろうとしていることと、実態としての内容はかなりいいと思います。私が以前勤めていたリキッドオーディオなんてひどいもんでしたから。是非とも、現状を抜け出して黒字転換していただきたいです。問題は、資金繰りと受注・売上との連動でしょうかね?実績的には、コマーシャル製作の売上は目立ちますが、いかんせん利益が無いですね・・・」

耕一:「はい、そうです。これには私もほとほとまいりました。しかし、現場のスタッフは責められないし・・・対外的な信用の一部も負っていますから、無視できないですしね・・・もう少し収益率が高ければ、営業方針も変わるのですが・・・」

相田:「そこで、もしよろしければ週に2日ほどお邪魔して、色々ご相談に乗りましょうか?最初はフィー(報酬)のお支払いも結構です。特に何か仕事をするわけでもないですから。一つ机を貸して頂ければ、何も必要ないですから。」

耕一:「でもそれでは、まずくないですか?無償でご相談に乗っていただくのはちょと・・・・せめて何か目安になるものがあれば・・・」

相田:「いや、いいですよ。山崎さんからもそういう指示ですから・・・」

耕一:「・・・・」「分かりました。よろしくお願いします。」



相田は、帰っていった。



耕一は、相田の最後の言葉がひっかかった。「指示」とは???また、もやもやといやな気分が襲った。本間を呼んで「本間さん、先日お会いした山崎さんですが、信用に足る人ですか?」と質問した。本間は「はい。当然です。」即答であった。



山崎氏は、一体何を考えているのだろうか?彼がこの会社に興味を持つものだろうか?



この答えが分かるのは、それから半年も経ったころであった。時、既に遅しなのだが・・・・