司法試験で受けられる他の資格 岩崎章浩 | ちょっと強いヤムチャさんのブログ~弁護士岩崎章浩の講義録~

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辰巳法律研究所の講師、岩崎章浩です。
司法試験受験生の皆さんに少しでも有益な情報を提供できれば、と思います。
ただ、自分の受け持っている生徒を大切にしたい(少しでもたくさんの時間予習したい)ので、頻繁に更新できませんが、何卒よろしくお願いいたします。


・法学検定
法学検定とは公益財団法人日弁連法務研究財団と公益社団法人商事法務研究会による共同組織である法学検定試験委員会が実施する民間資格試験である。法学に関する学力の客観的な評価を目的としており、基礎、中級、上級の3つの幅広い受験級が設けられており、過去には法科大学院既修者試験も存在した。
出題科目として、基礎コースでは法学入門、憲法、民法、刑法の基本となる4科目、中級コースでは前述の4科目に選択科目(民事訴訟法・刑事訴訟法・商法・行政法から)が一問追加される。上級コースでは出題科目が多数追加され、必須科目として憲法、民法、刑法の3問、法学基礎論として法哲学・法社会学・日本法制史・司法制度論(各2問)、法的思考の基礎・比較法(各1問)の10問から5問、選択科目として民事訴訟法・刑事訴訟法・商法・行政法・労働法・倒産法・経済法・知的財産法から2問(民事訴訟法・刑事訴訟法・商法・行政法のいずれか1問を含むこと)の計10問を解答しなければならない。
合格率は問われるレベルが上級コースではかなり上がるため例年20%前後の厳しい試験となっている。

・ビジネス実務法務検定
ビジネス実務法務検定とは法務に限らない幅広いビジネスシーンでの法律知識の習得を目的とする検定である。
この検定には1~3級があり,1級の受験資格は2級合格者のみ得ることができる。
2級,3級はともに2時間のマークシート方式で100点満点中70点以上を合格ラインとしている。また1級は200点満点の論述式で共通問題2問と選択問題を2問選んで解答する必要があり,それぞれ50%以上の得点と合計140点を獲得することが求められる。
共通問題では民法,商法,会社法を中心とした内容とその他全業種に共通して発生し得ると考えられる法律実務問題が出題される。
選択問題では特定の業種に関連する法律(不動産業なら借地借家法など,,)がクローズアップされ,その業種におけるトラブル処理方法を問われる。
2019年度の合格率は3級から順に75.1% 40.9% 17.2%となっており,1級は特に法務部門に所属する受験者を想定していることから高難度であることがうかがえる。