turbo Grignard試薬をみなさん御存知でしょうか?
この試薬はP. Knochelが開発した試薬で、簡単に言うとiPrMgCl-LiClです。
この試薬の利点は何と言っても官能基許容性が非常に高いということ。
Grignard試薬といえば、教科書的にはエステルやニトリルがあると反応してしまうため利用できません。
そのためにはReformatsky反応に代表されるZn試薬が利用されることが多いと思います。
しかし、turbo Grignard試薬はエステルやニトリルがあっても問題なし。
効率的にアルデヒドやハロゲン化アルキルと反応します。
ハロゲン化アリールにこのturbo Grignard試薬を作用させてハロゲン-マグネシウム交換を行い、これに対して求電子剤を作用させる。
ハロゲン化アリール側にエステルがあっても、求電子剤側にエステルがあっても、エステルは反応しません。
これはすぐれものです。
また、酸クロリドとも反応して、効率的に対応するケトンを合成できます。
ただしこの場合は、さらにCuCN-2LiClを添加する必要があるようです。
普通のGrignard試薬では酸クロリドとの反応で効率的にケトンを得ることは困難です。
調製法は普通のGrignard試薬の調製法+塩化リチウムで容易にできます。
しかし、今ではアルドリッチから購入できます。
さらに、CuCN-2LiClも購入できます。
詳しくは
http://www.sigmaaldrich.com/japan/chemistry/chemical-synthesis/technology-spotlights/chemetall.html
をご覧ください。