酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテルなどは抽出溶媒としてよく用いられます。


ところで、THFが抽出溶媒として使えるって知っていますか?



THFは水に溶けます。


なので、THFで反応を行った場合、水系でクエンチし抽出しようとすると、抽出溶媒の量を多めに入れないとエマルジョンになったり、THFとともに水層に化合物が多少もっていかれたりします。


その場合、クエンチ後にTHFを濃縮して減らした後に抽出操作を行うことも少なくありません。


とくにスケールが大きく、溶媒量が多い場合はそうするべきです。


しかし、水層の塩濃度が高い場合、THFは水と分離します。


たとえば、THFで反応を行い、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を停止させたとします。


そのとき、二層になっているときありませんか?


それはおそらく水が飽和状態になり、THFが分離しているものと考えられます。


なので、場合によってはそのまま水を分離すれば、残ったTHFに有機物は存在することになります。


もちろん、残った水層は酢酸エチル等で再度抽出し、最後にはじめにとったTHF層と合わせますが。



で、本題に。


私が以前行ったことがあるのは、ある化合物がクロロホルムでもなかなか抽出できなかったのですが、水層に食塩をたっぷり加えて飽和させ、THFで抽出をかけると意外にあっさり抽出できたという経験です。


まあ、化合物の性質によるところは多いと思いますが、文献でも見た事あります。


私の印象では、抽出能力は高いと思います。



最近では、2-Me-THFというものが開発され、プロセスの現場では使われ始めているようです。


この溶媒の特徴は、水と混ざらない、つまり、反応終了後、そのまま抽出できるわけです。


環境にやさしいってことですね。


抽出能力に関しては使ったことないのでよくわかりません。


ただ、日本で購入しようとすると高い・・・。


だったら、日本ゼオンが開発したシクロペンチルメチルエーテル(CPME)の方がよいかもしれません。