この空には、悲鳴が満ちている

この

梅雨の合間の

灰色に湿った冷たい空には

 

死んでいったものの悲鳴

死に行くものの悲鳴

やがて死ぬものの悲鳴

 

記録されることもなく

記憶されることもない

 

悲鳴が、この空を飛び交っている

 

辿りつく場所もなく

帰り着く場所もなく

 

永遠に、この空を飛び交っている

 

あでやかに梔子の香る

この灰色の空を