「運転手は私にきれいな景色を見せるって…私には夫がいるし、自家用車もある。なぜタクシー運転手にわざわざ景色を見せにいかされなきゃいけないの?セクハラじゃないですか?」

これが女性客のクレーム内容だ。

4月14日午前。
武漢の某タクシー会社運転手の董さんは漢口で女性客を乗せた。行先は武昌。武漢市を流れる長江を渡る必要がある。武漢市の朝の渋滞は閉口もの。そこで董さんはひとつの提案をした。通常の通行ルートでいくと長江大橋を渡らなければならない。しかし、この時間帯の渋滞は本当にひどい。そこで、別のルートで行きましょう、と。女性はOKする。

しかし、途中で「遠回りされてるのでは…」と不安になった女性客。董さんにその不安をぶつける。董さんはこう答えた。「でも、通常ルートは渋滞で時間かかりますよ。こっちのルートのほうが景色もきれいだし。こっちのほうがいいでしょ」

この回答に不満をもった女性客は目的地到着後、このタクシー会社にクレームしたというわけだ。
「こっちのルートのほうが景色もきれいだし」
こういう言い回しは中国人の癖みたいなもの。例えばレストランで自分が注文したい料理が「本日は売り切れです」と言われた時、店員はさらに「こっちのほうがおいしいですよ」「こっちがいいですよ」と言ってくる。これはよくあるパターン。客からすれば、「いやいや。おれはこれが食べたいんだよ」と反発したくなる。

こういうクレームが出てくると、中国人のサービス対応も徐々に日本に近づいていくんだろう。


中国人は「反日」なのか: 中国在住日本人が見た市井の人びと/コモンズ

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