<前回までのあらすじ>

4月13日午後3:45。
大連空港を飛び立ったシンセン航空ZH9724便は順調に目的地シンセンへ向けて飛行していた。
ところが…

高度7000メートルで安定飛行に入ってから30分ほど経った頃だった。突如、機内で激しく言い争う女性の声が。客室乗務員が気付いた時には、すでに他の乗客も立ち上がってその様子を見ていた。一座の中心で繰り広げられていたのは…殴り合い、つかみ合いの喧嘩。しかも、女性4人が2対2に分かれて激しくやり合っているではないか。

客室乗務員が制止するも、2分間ほど続いた激しいけんか。そして4人のうち2人が席を移動し、やっとけんかは収まった。しかし、事態を重く見た機長は飛行機の安全運航に支障をきたしかねないと判断。急遽、地上と連絡を取り、緊急着陸可能な空港を依頼。上海付近の江蘇省南通市の空港に緊急着陸した。


<続き>

機内で殴り合いのけんかをしてしまった4人の女性はそのまま南通市の公安局に緊急逮捕され、事情聴取を受けた。約1時間半の南通空港での「寄り道」を経て、飛行機は再度離陸。大幅に遅れが出たものの、無事、目的地シンセン空港に到着した。

南通公安局の調べによると、けんかの原因は些細なことだった。
まず、前列側に座っていた2人の女性が安定飛行に入ったのを受けて座席を後ろに倒した。ところが、それを不快に思ったのが後列の2人の女性。座席を元に戻すよう要求する。これを機に両者の口げんかが始まる。そして、ついに…目撃者の情報によると、先に手を出したのは後列側の2人の女性とのこと。前列2人の態度に腹を立てた後列2人が相手の髪をつかむなどして「攻撃」を開始。これにより火が着いた前列二人も、大声で叫びながら蹴りを加えるなど「反撃」。こうしてけんかがエスカレートしたという。

この4人はいずれも遼寧省の出身。前列の2人は80年代生まれのいわゆる「80后」。後列の二人は中年女性だ。聞けば、若い二人組は自分たちでブティックを経営しており、シンセンには仕入れのために向かっていたとのこと。一方、後列の中年2人は他に家族2人も同乗しており、タイ旅行へいく途中だった。シンセン空港で乗り換えてタイへ行くはずが、このけんかにより旅行は中止に。散々な結末となってしまった。

なお、この4人は取り調べのために5日間、南通公安局に拘留されたあと、釈放されたという。

中国人は「反日」なのか: 中国在住日本人が見た市井の人びと/コモンズ

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