7月最後の日。
暑い暑い夏の午後。
ただひたすらに、車を走らせていた。
目に飛び込んできては後ろに流れていく風景。青すぎる濃い夏空には雲ひとつなく、緑色の田んぼには風が全く吹いていないが、きっと私の車は風をおこして通り過ぎているだろう。
どんどん後ろに流れ去る、7月の最後の日。
夏の残像。
外はきっとうるさいくらいの蝉の声。でもここには届かないだろう。私はボリュームをあげて、音楽を聴いているから。それは、ここ1ヶ月くらいの私を支えてくれた音楽で、たぶんこの夏が終わったらしばらく封印するであろうアルバムだ。
夏空と田んぼから、現れた道路標識に目を移す。ナビではあと10kmくらいか。
助手席には、ぐっすり寝入った息子がいる。
今や彼は4歳になっていて、ついこの間までは、ころんとした体型だったのに、急に手と脚が伸びて、お腹もへこんで、少年という風情を手に入れていた。しかし、この暑さで昼寝をしてしまうあたり、その無防備な寝顔はまだまだあどけない。
寝ていてくれてよかった。
誰の目も気にせず、存分に泣けるから。
少し遠い公園に車でやってきたのは午後2時のことだった。息子が寝てしまって、ゆすってもさすっても起きやしないのは幸運だったかもしれない。この暑さで熱中症にでもなったら大変だ。
私はがらんとした駐車場からゆっくり車を出して、さてどうしよう、と思案した。
高速料金を払ってきたので、すごすご帰るのはごめんだった。
そこにふと、視界に入り込んできた道路標識。矢印の先の地名に、ほぼ直感的に、吸い込まれるように、いや導かれるように、アクセルを踏み込んだ。
一度訪れて見たいと思っていた神社の地名だった。
私はひたすらに祈りたかった。
あの愛しすぎる子のために、私はただ祈りたかったのだ。
大好きだと、ただただ伝えたかったのだ。
そしてごめんねと、謝りたかったのだ。
7月の残像がにじむ。そして後ろに流れていく。
暑い暑い夏の午後。
ただひたすらに、車を走らせていた。
目に飛び込んできては後ろに流れていく風景。青すぎる濃い夏空には雲ひとつなく、緑色の田んぼには風が全く吹いていないが、きっと私の車は風をおこして通り過ぎているだろう。
どんどん後ろに流れ去る、7月の最後の日。
夏の残像。
外はきっとうるさいくらいの蝉の声。でもここには届かないだろう。私はボリュームをあげて、音楽を聴いているから。それは、ここ1ヶ月くらいの私を支えてくれた音楽で、たぶんこの夏が終わったらしばらく封印するであろうアルバムだ。
夏空と田んぼから、現れた道路標識に目を移す。ナビではあと10kmくらいか。
助手席には、ぐっすり寝入った息子がいる。
今や彼は4歳になっていて、ついこの間までは、ころんとした体型だったのに、急に手と脚が伸びて、お腹もへこんで、少年という風情を手に入れていた。しかし、この暑さで昼寝をしてしまうあたり、その無防備な寝顔はまだまだあどけない。
寝ていてくれてよかった。
誰の目も気にせず、存分に泣けるから。
少し遠い公園に車でやってきたのは午後2時のことだった。息子が寝てしまって、ゆすってもさすっても起きやしないのは幸運だったかもしれない。この暑さで熱中症にでもなったら大変だ。
私はがらんとした駐車場からゆっくり車を出して、さてどうしよう、と思案した。
高速料金を払ってきたので、すごすご帰るのはごめんだった。
そこにふと、視界に入り込んできた道路標識。矢印の先の地名に、ほぼ直感的に、吸い込まれるように、いや導かれるように、アクセルを踏み込んだ。
一度訪れて見たいと思っていた神社の地名だった。
私はひたすらに祈りたかった。
あの愛しすぎる子のために、私はただ祈りたかったのだ。
大好きだと、ただただ伝えたかったのだ。
そしてごめんねと、謝りたかったのだ。
7月の残像がにじむ。そして後ろに流れていく。


