【Info News Zero】2019/03/12 夜【読売/日経/ロイター】 | 【一流企業経営マネジメント対策】【high land presidential group atendantia】【トッププロフェッショナル コンサルティングチーム】

【現代】「退位の礼」関連初儀式、天皇陛下が祖先へ報告【読売】


 天皇陛下は12日、皇居・宮中三殿で、皇室の祖先などに退位とその期日を報告する儀式に臨まれた。4月30日の「退位の礼」に関連する皇室行事の最初の儀式で、陛下が自ら祭祀さいしを執り行われた。

 陛下は午前10時、天皇が着る伝統的な束帯姿で、皇室の祖神・天照大神あまてらすおおみかみを祭る賢所かしこどころの回廊に姿を見せられた。笏しゃくを手にゆっくりと進み、御簾みすの中に入って拝礼された。宮内庁によると、陛下は拝礼後、長年務めた天皇を4月30日に退位するという趣旨の御告文おつげぶみを大和言葉で読まれたという。

 その後、陛下は歴代天皇らを祭る皇霊殿、八百万やおよろずの神を祭る神殿も巡り、同様に拝礼された。頸椎けいつい症性神経根症の持病がある皇后さまは、お住まいの御所で拝まれた。

 陛下は今後も、3月26日に神武天皇陵(奈良県橿原かしはら市)、4月18日に伊勢神宮(三重県伊勢市)を訪問するなどして、皇室の祖先に退位を報告される。

【経済】カルテル防止へ包囲網、アメとムチ一段と 独禁法改正案【日経】


課徴金減免制度(リーニエンシー)を見直す独占禁止法改正案が12日、閣議決定された。談合・カルテルを自主申告した企業に対し、調査への協力度に応じて減額幅を決めるのが柱で、現行のスピード勝負の申告とは大きく異なる。国際的な潮流に沿った内容といえ、企業への包囲網が一段と強まる可能性がある。一方で減額を認定する具体的な基準が示されておらず、運用面での課題は残る。

「改正案は現行制度の弱点をカバーし、カルテルなどの調査に役立つ武器となる」。公取委幹部は、改正案の意義を強調する。

今回の目玉は、調査への協力度合いに応じて、課徴金の減免率を柔軟に変える「裁量型課徴金」を盛り込んだことにある。

現行制度は先着順で最大5社まで適用され、減免率は申告順に1位100%、2位50%、3位以下30%と自動的に決まる。1位の企業は刑事告発も免れるため、1秒の遅れが企業にとっては致命傷になりかねない。

改正案では従来、減免が認められなかった申請順位の下位も対象に加わる。実態解明に役立つ協力があった場合、課徴金を上乗せして減らす。

改正案の背景には、企業側の協力をさらに促す狙いがある。2006年の導入当初はこうした企業間の"密告合戦"を促すような制度は「日本になじまない」と言われた。だがふたを開けてみれば、効果は絶大だった。

同制度の申告件数はここ数年100件超を記録。18年3月末までに1165件に達した。名古屋市発注の地下鉄工事やリニア中央新幹線の建設工事など巨大工事での談合事件や、自動車輸出の海運カルテルなど課徴金総額が百億円を超える大規模な価格カルテルなどの摘発にもつながった。

一方で、現行制度には「先着順で減免率が決まった後、企業側が積極的に調査に協力する動機が弱まる。都合が悪い事実関係を否認するケースは少なくない」(別の公取委幹部)との声も出ていた。

海外では、競争当局が企業の実態解明への"貢献度"に応じて金銭的なペナルティーを決めているのが主流だ。例えば欧州連合(EU)の欧州委員会は、企業側が提出した証拠の価値や提出時期によって制裁金を減額する幅を変えているほか、米国、韓国など同様の運用をしている。日本でも公正な市場確保に向けた包囲網が一段と強まり、企業にとっては「ムチ」に映りそうだ。

今後の課題は減額幅を決める基準づくりとなる。改正案ではどの程度の協力で減免率が上乗せされるのかなどの基準が明確ではない。独禁法に詳しい弁護士事務所には、企業担当者から「裁量型課徴金の導入で今後、どうなるのか」などの戸惑いが寄せられているという。

土田和博・早稲田大教授は「企業の協力度合いがカギを握るだけに、公取委の調査にとって価値ある証拠を提出する必要がある」と指摘。公取委は適用の際に重視する事項のガイドラインを整備する方針を示しており、企業の混乱を防ぐ狙いがある。

一方、規制強化の「アメ」として、外部弁護士と相談した内容を保秘できる「秘匿特権制度」が導入される方向だ。これまで独禁法に基づく立ち入り調査を受けた企業は、公取委に押収される懸念から弁護士との相談内容を書面化しにくかったが、書面でやりとりしやすくなり、弁護士と意思疎通を図れるメリットがある。

元東京地検特捜部の検事で独禁法に詳しい木目田裕弁護士によると、秘匿特権は欧米では広く導入されており、海外の弁護士から日本は遅れていると指摘されてきた。

秘匿特権は「法体系全体に影響が及ぶ」(公取委幹部)として、法制化は見送られ、規則や指針にとどめることになった。木目田弁護士は「規則に盛り込まれ、実効性が確保され評価している。今後は、法制化に加え、独禁法以外の刑事事件や行政調査でも導入が望まれる」と提言する。

今回の秘匿特権は、適用の対象をカルテルなど「不当な取引制限」に絞っており、片山達弁護士は「独禁法の『優越的地位の乱用』などへの適用の可否も検討すべきだ」と指摘する。(江藤俊也 小西雄介 桜田優樹)

【国際】コラム:トランプ米大統領の予算教書、議会通過できるか【ロイター】


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[ニューヨーク 11日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トランプ大統領は4兆7000億ドルの2020年度(19年10月─20年9月)予算教書で、国防費を増やして社会保障費など国防以外の予算を削減し、メキシコとの国境沿いでの壁建設に多額の費用を要求した。民主党が過半数を握る議会下院が提案を拒否するのは確実だ。

トランプ政権は予算教書を通じて政策の基本方針を示しており、今後の争点のありかが浮き彫りになった。象徴的な項目の1つが壁建設費で、大統領の要求額は86億ドルと今年初めに議会が拒否した前回の要求額を上回った。

トランプ氏の予算教書は、詳しく点検すればボロが目立つ。トランプ氏は裁量的国防費を20年度だけで500億ドル以上、上積みするよう求めたが、そうなれば今後10年間の国防費は現在よりも5000億ドル増加し、社会保障費や医療補助などの大規模な削減でも穴埋めしきれない。

ピーター・G・ピーターソン財団によると、米国の国防費は既に中国など上位7カ国の合計を上回っている。一方で米国の医療制度は不十分で、必要なのは予算の削減ではなく徹底した改革だ。

環境保護局(EPA)向け予算の3割削減など引き締め策の一部は、暗に民主党を攻撃対象としている。さまざまな福祉対策における、改革に名を借りた予算カットは、実際に進めるのも政治的に成立させるのも難しい。

予算教書は経済成長が平均で年3%近くに達し、税収は確保できると想定している。2018年の成長率はこの数字に近かったが、これはトランプ氏の大規模な減税の効果によるもので、持続不可能というのが大方の見立て。つまり2029年までに財政赤字のGDP比が0.6%に縮小し、公的債務のGDP比が71%に低下するとのトランプ政権の見通しは実現が危うい。

議会予算局(CBO)は1月、10年後の財政赤字のGDPは4.4%となり、公的債務のGDP比は93%に上昇するとの見通しを示している。

トランプ氏はこうした予想を気に留めないだろう。しかし、財政赤字問題は連邦債務上限を巡る対立を引き起こす恐れがある。CBOによると、債務不履行のリスクを回避するには、秋には債務上限を引き上げる必要がある。さらにもっと重要なのは、議員には自分たちの優先事項があることで、大統領に譲歩する理由はどんどん少なくなっているのではないか。

●背景となるニュース

*トランプ大統領は11日に議会に提出した2020年度(19年10月─20年9月)予算教書で、低所得者や高齢者に対する社会保障費用を削減する一方、国防費を増やし、メキシコとの国境沿いで壁を建設する費用を求めた。

*20年度の歳出要求額は4兆7000億ドル。国防費は前年度比5%増の7500億ドルを要求した。国務省や環境保護局など国防以外の予算は大幅な圧縮を求め、低所得層向け食糧購入補助制度(フードスタンプ)など、義務的経費で賄うプログラムについても改革を提案した。

*こうした国防以外での予算削減や経済成長に伴う税収の伸び確保が実現しても、財政の均衡は2034年以降となる見込み。

【政治】森裕子氏「へらへら笑って」…麻生氏「何が悪い」【読売】


 2019年度予算案を審議する参院予算委員会で、閣僚ら政府側に横柄とも取れる言動が目立ち、野党の反発を招いている。審議はおおむね順調に進んでいるだけに、与党内には緩みを警戒する声がある。

 自民党の二階幹事長は11日の記者会見で、国会審議での政府側の態度について「本人たちの自覚の問題だ」と突き放した。

 野党が問題視するのは、安倍首相や閣僚が談笑する姿がたびたび見られることだ。6日朝には、予算委理事会で野党筆頭理事だった国民民主党会派の森裕子氏が「あんな閣僚席を見たことない。へらへら笑って」と抗議し、自民党の石井準一与党筆頭理事が「厳しく伝えたい」と応じた。

 ところが、直後の予算委でも首相と麻生財務相、茂木経済再生相が野党の質問中に談笑し、休憩時に森氏が直接注意した。森氏によると、麻生氏は「何が悪いんだ」と反論したといい、昼の理事会でも石井氏は「閣僚には緊張感を持って対応するよう申し入れたい」と対応に追われた。

 同じ日の審議では、横畠裕介内閣法制局長官が答弁で行政監視機能に関する野党の質問を「声を荒らげて発言するようなことまで含むとは考えていない」と批判し、撤回した。8日に金子原二郎委員長(自民)が横畠氏に厳重注意した。

 予算委は12日に公聴会、13、14両日に社会保障などの集中審議を行うことで与野党が合意している。審議ペースは与党の想定通りで、予算案は月末を待たずに成立しそうな情勢だ。自民党参院幹部は、閣僚や横畠氏らについて「順調だから緩んでいるんだろう」と苦々しく語る。

 一方、不適切統計問題などを追及する野党側も政権を追い込めず、手詰まり感が漂う。閣僚の態度にかみつくのも「攻め手がないことの裏返しだ」(野党幹部)との見方が出ている。

【経済】消費増税の影響はマインドなどで変化、動向を注視=雨宮日銀副総裁【ロイター】


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[東京 12日 ロイター] - 日銀の雨宮正佳副総裁は12日の参議院財政金融委員会で、10月に予定されている消費税率引き上げの経済への影響について、消費者マインドや雇用・所得環境、物価動向で変化するとし、「引き続き動向を注意深く点検していきたい」と語った。杉久武委員(公明)の質問に答えた。

もっとも、日銀では昨年4月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で今回の消費増税に伴う家計の負担額は、軽減税率の適用や教育無償化措置などを含めてネットで2兆円程度と試算しており、雨宮副総裁は前回の2014年4月の8兆円程度よりも「負担は小幅にとどまる」と指摘。加えて、その後に政府が決定したポイント還元策などの需要平準化策も「経済への影響を軽減する」と述べた。

【国際】仏検察、ゴーン元会長への捜査開始 仏側で初【日経】


【パリ=白石透冴】フランス検察当局が、仏ルノー前会長兼最高経営責任者(CEO)のカルロス・ゴーン被告に対する捜査を始めたことが11日、分かった。ゴーン前CEOを巡り、フランス側での捜査が明らかになるのは初めて。パリ郊外のベルサイユ宮殿から不正な便宜を受けていた疑いがあるとして、ルノーが2月上旬に検察当局に通報していた。

仏AFP通信が報じた。ゴーン前CEOは近く記者会見などで無実を訴えるとみられるが、捜査開始のニュースは仏世論にも影響を与える可能性がある。

ルノーなどによると、同社は2016年6月、文化事業などを支援する契約をベルサイユ宮殿と結んだ。ゴーン前CEOはその見返りとして同年10月、妻キャロルさんとの結婚披露宴のために宮殿内の大トリアノン宮殿を使った。

検察当局は、宮殿使用料に当たる5万ユーロ(約625万円)が、ゴーン前CEOへの「個人的な利益」だった疑いがあるとみているもようだ。仏メディアは会社の財産を私的な理由に使うことなどを禁じた「会社財産乱用」の疑いがあると報じている。

一方、ルノー、日産自動車と三菱自動車の3社連合は、ゴーン前CEO後の体制作りを急いでいる。12日、横浜市の日産本社で共同記者会見を開き、連合の新たな会議体などについて発表する見通しだ。

【政治】飛び地の村議会 定数最少「5」に…和歌山・北山村 人口減少で【読売】


 全国唯一の「飛び地」の自治体・和歌山県北山村で12日、村議会の定数を6から5に減らす条例が全会一致で可決された。人口減少が理由で、次の村議選(12月20日任期満了)から適用され、沖縄県北大東村とともに全国最少となる。

 北山村は三重、奈良両県に囲まれ、紀伊半島の山間部に位置。人口は1945年の約2600人をピークに減少し、2月末現在で435人、うち65歳以上が約45%を占める。議会の定数は2007年に6になり、16年に現村長が議員辞職して村長選に立候補して以降は欠員1となっている。現議員5人の平均年齢は67歳。各議員が昨年、村民に聞き取り調査などをしたところ、「減っている人口に合わせて定数も削減すべきだ」「議員報酬(年間約250万円)がカットできる」といった意見が多かったという。

【経済】コラム:米ボーイング機墜落事故、株急落が映す「中国の脅威」【ロイター】


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[ニューヨーク/ロンドン 11日 ロイター BREAKINGVIEWS] - この半年間でボーイング(BA.N)の新型機737MAX8で2度目となる墜落事故が起きたことを受け、同社株は11日に急落した。投資家の反応は、事故による短期的な財務面の影響を恐らく過大視しているが、もっと大きな長期的脅威を反映しているのかもしれない。

それは事故をきっかけに、世界最大の市場である中国で競合他社に門戸が開かれる恐れだ。

エチオピア航空機の事故原因は判明していない。それでも中国は昨年10月にジャカルタ沖で起きたライオン・エア機の墜落事故との共通点を指摘した上で、737MAX8型機の運航を停止した。インドネシアとエチオピアも追随した。仮に米連邦航空局(FAA)が同様の措置に出れば、同型機は実質的に世界中で運航停止となる。11日の米株式市場ではボーイング株が急落。先週末時点で2390億ドルだった同社の時価総額は一時、300億ドル程度減少した。

事故による財務面への影響を考えてみよう。仮に事故原因がソフトウエアの問題であれば、737MAX8型機は数週間から数カ月ほど運航停止となる可能性がある。FAAは2013年には787型機をバッテリーの問題で3カ月間、運航停止としている。それでもこうした問題がボーイングの事業に多大な負担となる公算は小さい。ボーイング737MAXはこれまでに4600機を受注しており、生産ラインは競合するエアバス(AIR.PA)のA320型機と同様、数年先まで予定が埋まっているためだ。

737MAX8型機に関連した航空会社からの損害賠償請求も、対処可能とみられる。同型機は現在、約350機が運航している。運航停止になった場合でも航空会社は、購入のために借り入れた融資の金利を支払わなければならず、ボーイングに利払いの肩代わりを要求するかもしれない。航空会社が同型機を定価の1億2200万ドルの6割で購入し、年率5%で資金を借り入れたと想定すると、年間の利払い費は全社合計で約13億ドルになる。リフィニティブI/B/E/Sの業績予想によると、これはボーイングの2019年の営業キャッシュフローの約7%に相当する。

それでも中国の反応は懸念すべきだ。中国はボーイングにとって最大の市場であり、同社は最近、中国に最終段階の生産を担う工場を建設した。さらに宇宙航空機部門は、習近平国家主席が掲げる「中国製造2025」計画で重点分野に挙げられている。こうした中、国有企業の中国商用飛機(COMAC)は米FAAに単通路型機「C919」の認定を求めている。中国の航空機メーカーに門戸が開かれれば、ボーイングとエアバスが享受している高収益の寡占状態は崩れ去るだろう。

●背景となるニュース

・エチオピア航空の旅客機が10日に首都アディスアベバの空港から離陸直後に墜落して乗員乗客157人が死亡した事故を受け、中国とインドネシア、エチオピアの3カ国は事故機と同型のボーイング737MAX型機の運航を停止した。

・ボーイング737MAX型機を巡っては、昨年10月にもインドネシアのライオン・エアが運航する同型機がジャカルタ空港を離陸後に墜落する事故が起きている。

・中国民用航空局(CAAC)は2件の事故に「ある程度の共通点」があると指摘。双方とも新たに納入された航空機で事故が発生した。

・11日の米国株式市場でボーイング株は一時、前週末比10%超下落、終値は5.3%安となった。

【国際】中国企業、株主より共産党重視(一目均衡)【日経】


「本当ですか」。1月末、上海市に駐在する日本航空の幹部は驚きを隠さなかった。中国東方航空で社長に相当する総経理の馬須倫氏が、ライバルの中国南方航空集団の総経理に横滑りしたからだ。

日航は東方航空と提携している。路線調整や営業面まで踏み込んだ協力を進めており、2018年8月に両社が開いた記者会見では植木義晴会長が航空機の模型を手に馬氏と記念写真に納まった。

中国政府や共産党の思惑で、国有企業の経営陣は簡単に代わる。中国工商銀行で会長に相当する董事長だった易会満氏は1月末に証券監督当局の主席に「昇進」した。開催中の全国人民代表大会(全人代)では証券市場の振興策を得意げに語った。今は中国企業が18年度の決算をまとめる時期だが企業の事情など考慮せずにトップは交代する。

中国石油化工(シノペック)の貿易子会社は原油取引に絡み70億元(1150億円)超とされる損失を出した。停職処分を受けた人物には企業内に設置された共産党組織のトップである書記も含まれた。社内の党組織は経営に直接は深く関与しないのが建前だが、処分を受けるほどの立場にあったことを裏付ける。

東方航空、工商銀、シノペックは政府が直轄する「中央企業」の一角だ。習近平(シー・ジンピン)総書記が「党政軍民学、東西南北中、一切を党が指導する」と語ったからには、党の意向の前に少数株主の利益など顧みる余地はない。中国企業への投資を考える投資家に注意してもらいたいのは、最近は民営企業に対しても党の圧力が露骨になっていることだ。

2月初め、中国最大規模の民営投資会社とうたう中国民生投資が債務不履行を起こした。18年9月末で3000億元(約5兆円)超の総資産を持つ巨大企業が、30億元の社債の手当てにつまずいた。

民生投資は中国北西部の寧夏回族自治区でメガソーラー、カンボジアでは工業団地の造成に取り組む。習指導部が掲げる貧困撲滅や一帯一路の忠実な実行部隊として振る舞ってきた。突然の債務不履行の背景は明らかではないが、地銀に相当する農村商業銀行の中の1行が貸しはがしに動いたとの観測が流れる。

農村商業銀行が単独で動いたとは考えにくく、中央から何らかの指示か指導があったと考えるのが自然だ。1カ月もたたないうちに民生投資は上海の一等地を手放した。投げ売りに近い値段で土地を手にしたのは上海市系の国有企業、緑地控股集団だった。

政府主導で準備が進むハイテクベンチャー向けの新市場「科創板」では、地方政府系の投資ファンドが上場候補の企業に先んじて投資する事例が散見される。もともと中国の株式市場は国有企業の資金調達が目的だが「党の党による党のための市場」という実態は隠そうとしてきた。全人代を開催中である今はそうした配慮も薄れる。19年に入り世界で有数の上昇率となりながら、市場関係者からは中国株の長期保有を勧める声はあまり聞こえてこない。



検討を要す。