【Info News Zero】はしか、目立つ海外感染…百貨店でも患者多数【読売】 | 【一流企業経営マネジメント対策】【high land presidential group atendantia】【トッププロフェッショナル コンサルティングチーム】

 国立感染症研究所は26日、今年に入ってからの麻疹(はしか)の患者数が17日までで222人になったと発表した。直近の1週間では48人が新たに感染し、過去10年間で最多ペースとなっている。

 発表によると、都道府県別では大阪が77人で最も多く、三重49人、愛知20人、東京14人と続く。これまで中心だった関西以外の地域でも感染者が増え、22都道府県に広がっている。渡航先のフィリピンやベトナムといった東南アジアでかかったとみられる人が目立つ。

 


 大阪府では、百貨店「あべのハルカス近鉄本店」(大阪市)や大阪府済生会茨木病院(茨木市)で多数の患者が確認されている。三重県では宗教団体の研修会に参加した人らの集団感染がみられた。

 千葉県では、フィリピンに滞在していた40歳代の女性がはしかに感染。女性を救急車で搬送していた30歳代の男性隊員にもうつった。川崎市でも、11日に東南アジアから帰国した3歳未満の男児が発症した。発熱後、市内のスーパーに外出したり、JR川崎駅から京浜東北線などを利用し、東京方面に出かけたりしたという。

 国内では、2008年に約1万1000人の患者が出たが、06年から子どもへの予防接種を2回にするなどしたことで、患者は減った。15年には、世界保健機関(WHO)から、国内に土着ウイルスが存在しない「排除状態」と認定された。

 だが、その後も東南アジアなどで流行しており、こうした地域で感染した人が散発的にみられる。最近の国内の患者数は年間200人前後で推移している。厚生労働省は「渡航する人などは、予防のためにワクチン接種を検討してほしい」としている。

ワクチンで対策

 はしかは、ウイルスに感染後、約10日間の潜伏期間を経て、38度前後の熱やせきなど、風邪に似た症状がみられる。2~4日続いた後、いったん熱は下がるが再び、39度以上の熱や発疹が出る。熱が下がってからも3日程度は人にうつす恐れがある。患者のくしゃみなどで空気中に浮遊するウイルスを吸い込んだだけでもかかる。手洗いやマスクでは防げず、免疫がなければほとんど発症する。

 治療薬はないが、ワクチンを2回接種することが有効だ。現在は、1歳児と就学前に2回、予防接種を受けることになっている。それでも感染することはあるが、症状は比較的軽くて済み、感染力も弱まる。

 感染拡大を防ぐため、はしかが疑われる症状が出た場合は、医療機関に連絡をしてから受診する。妊娠中の女性がかかると、流産や早産の危険が高くなる。妊婦や予防接種を受ける前の0歳児などが感染しないようにすることが重要だ。
 
風疹と並び妊婦や予防接種を受ける前の0歳児は注意が必要であり、検討を要す。