子供のころから生き物が大好き

2年の浪人を経て、北海道大学に入学

馬の手術見て感動し、獣医学部に進む

3年の時、繁殖の実習で牛の肛門に腕の入れる直腸検査をする

しかし、学生時代に鍛えた柔道の影響で腕が太すぎ入らない、結果、獣医師になる夢を絶たれる

ひどく落胆し、しばらく放浪の旅に出る

北海道に戻り卒業は見込むものの就職先は決まらず

卒業直前の3月、学内の求人票で地元の動物園の張り紙を見つける

卒業式同日に試験を受け、見事に合格

1973年、入園

地元の動物を中心に、精力的に動物の繁殖に取り組む

国内初の繁殖実例もあり、国から何度も表彰される

一方で、娯楽の多様化により動物園の入園客数は年々減少

当時のトレンドだったジェットコースターを導入するも奮わず

追い打ちをかけるように1994年にはゴリラとワオキツネザルがエコノキックス症を発症

人間にも感染するといううわさから、一時閉園へ

年間来場者数は最盛期の半分以下、26万人にまで減少、窮地に

年間3億年の赤字を垂れ流す状況に、市議会も動物園不要論が噴出

そんな状況下、まさかの新園長就任を打診

引き受けるか悩んだものの腹をくくって受諾することに

まず園のことを誰よりも知る飼育係たちに意見を聞いて回る

すると「本当はこうしたい」「こうすると動物の行動がよく見える」「こうすればお客様にも動物の生態が伝わりやすい」など、長年温め続けていたアイデアがたくさんあることが判明

動物本来の行動特性を最大限に生かし、動物が生き生きと活動する様子を伝える動物園…

「これだっ!!!」

飼育係たちのアイデアを14枚のスケッチにまとめ ”行動展示” と命名

これらを手に何度も市に足を運び、掛け合い、説明、説得…

3億円の赤字を垂れ流しながら崩壊寸前だった動物園にもかかわらず、なんと1億円の予算を獲得することに成功!

ホッキョクグマが来場客をアザラシと勘違いして勢いよく飛び込んでくる「ほっきょくぐま館」

もともと高い樹上生活のオランウータンの生態を引き出す空中放飼場「オランウータン舎」

アクリルの水中トンネルを作り、その中を飛び回る姿が観察できる「ぺんぎん館」

他にも夜行性動物の生態が見れる「真夜中動物園ツアー」や、

冬の風物詩「ペンギンの散歩」など

普段見ることのできない動物イベントも積極的に実施

ただ眺めるだけだったこれまでの ”生態展示動物園” ではなく、動物本来の習性や行動を見ることができるエンターテイメントな”行動展示動物園”

今までになかった動物園の在り方が話題となり、来場客数は右肩上がりに回復傾向に

そして2004年、ついに月間入場者数が上野動物園を抜いて日本一を記録!

最寄り駅から路線バスで30分以上もかかる僻地動物園ながら、いまでは、年間300万人以上の来場客を迎える大人気動物園へと見事に復活させた


「いきいきと動いているときが動物にとって幸せな瞬間、それを見ている人も楽しい気持ちになる展示があるべき本来あるべき姿なんですよ」そう語るのが、


旭川市旭山動物園

名誉園長 小菅 正夫さん!