慶應義塾大学卒業後、三菱商事入社
35歳の時に、ファストフード形式のスープ専門店を思いつく
3か月かけて13ページにわたる企画書を作成
店名、メニュー、値段、スタッフの制服…
航空会社の機内サービススープに採用されている未来まで描く
満を持して経営陣にプレゼン
「面白い!!!」と大絶賛され、早速出店の準備に取り掛かる
1999年、東京お台場にオープンした大型商業施設「ヴィーナスフォート」
同時にその一角で1号店がオープン
連日連夜の大盛況
朝から晩まで15メートル以上の行列が続く
順風満帆な滑り出し、かと思いきや危機が訪れる
6年目の2004年年7月
最高気温39.5度を観測する記録的猛暑
熱々のスープは敬遠され、チェーン店のほとんどが赤字に転落
1号店のヴィーナスフォート店は、エアコンも効いており、商業施設自体に集客力もあったため売り上げが落ちず
好景気に乗じて、細かな分析、対策を怠っていたツケが出る
底なし沼のように延々と赤字が続く日々
どこかに突破口はないか…藁にもすがる思い…
改めてデータを見直すと、
1軒だけ売り上げを伸ばしている店舗が!
カップで出すカレースープを、
その店は本社に内緒でご飯に直接かけ、カレーライスとして販売
「これだ!…いや…これをメニューにして本当にいいのか…」
社内会議にかけると意見は賛成派と反対派で真っ二つ
スープ屋なのにカレーライスを販売する矛盾…
悩み抜いた末、「成功した現場の声に従おう」と決断
その年の8月にカレーライスをメニューに追加
すると、これが大当たり!
企業理念、売り上げ意識、店舗運営の考え方、現場の声…
いろいろな意味で転機となる
その後は順調に店舗数を増やし、
2008年にはJALの機内食にも採用される
まさに企画書の内容を実現!
2020年コロナ禍での全店舗閉店時は従業員の給与を100%保証し、
2023年の離乳食無償提供騒動の時は、安易に謝罪をしない毅然とした態度と決断に、称賛の声が相次ぎ、事態は沈静化した
現在は全国に53店舗を展開、『世の中の体温をあげる』という企業理念もと、一杯のスープで今日も誰かのカラダとココロを温め続けるのが、
株式会社スープストックトーキョー
代表取締役会長 遠山 正道さん!