前回、中田先生は、

キセノンガスが水分子のクラスター形成を安定化できる、等の理由から

全身麻酔が水分子のクラスター形成による、との説を立てられました。

そしてさらに、

麻酔が意識と直接関係しているので、「心の原点」が見えると考えたのです。


今日はその具体的追及を追っかけます。


まず、よく知られた

ニューロンの活動電位の話、

非線形、複雑系の話

ひとつひとつの要素の特性からは想像もつかなかったような特性が出現したり、

ちょっとした変化が系全体の激変をもたらす

までは脳の常識、納得出来るのですが、


先生の次の文章が理解できません

現代科学は、かつては不可能と思われた複雑系の詳細な解析法を生み出し、法則よりも条件が重要な要素となることを突き止めた。そこから、脳がこころを生み出す過程が驚くほど正確に知られている。しかし、詳細な解説は他書にゆずるとして

この文は全く無責任な文章であると思います、参考文献も挙げず「脳が心を生み出す過程」が知られているとは、どういう感覚を持たれているのでしょうか。

また

脳がどう働くかの原則も、熱力学的理論体系に従うことが知られている」とありますが本当でしょうか、首肯できません。

従って、この文章を無視して進みます。


いずれにしても、先生の言いたかった事は、

水は、本当に生命の源なのである。

そして、脳のニューロンの活動に欠かせない、イオンチャンネル(イオンが通る道筋)活動だけではだめと言う信念から、

イオンは水の環境空間でしか存在できないのだから、これらのチャンネルが結んでいる空間は、外も内も水が存在する事になる。

しかし、もし、イオンのように水環境のみで存在可能な小さな粒子ではない微細分子を通す道があったとすれば、それは、水環境と水環境の間はもちろんのこと、水環境と大気環境とを結ぶことも可能である。

上の微細分子が水分子で、

この微細分子・水分子を通す、新しいチャンネルを求め、やっと見つけられたのです。


この水分子を通す水チャンネルが、脳のもう一つの細胞であるグリア細胞に無数にあって、つまり、

グリア細胞にだけアクアポリンが無数に存在するのである」のです。

これはグリア細胞が水と空気を結ぶことが出来る事を意味しています。


先生の感動は次の文章に現われています。

グリア細胞のこのタンパク構造は、形態学者の間では割と昔から知られていたもので、アセンブリーと呼ばれていた。それが、アクアポリンであることが理解されたのは90年代後半のことだった。

脳科学は、一歩、一歩、その最終章に近づいていたのである。」と。


でも、イオンは大気中に存在できず、水分子は存在できると先生は言われていますが本当でしょうか?それともアクアポリン特有の特性があるのでしょうか。

シャープのクラスターイオン清浄機の開発者に聞きたいところです。


ここまでで、先生の言いたい事は、

水のクラスター形成が意識と直接関係している事、

水は生命に必須である事、

水分子だけを通すアクアポリンが脳内グリア細胞に見つかった事、

アクアポリンが水環境と大気環境を結ぶことが出来る事、

と理解しました。


ここでなぜ唐突に大気が出てきたのか不思議でしょう?理由はあとでわかります。


そこで、次は脳の熱力学。

と言っておきながら、情報理論・確率で使われる

ガウス分布

エントロピー

マルコフ連鎖

が出てきますが、意識と、どう関係しているのかわかりません。


で、話が熱にもどり、

ホメオスターシス、(温度一定性)

早い話が、哺乳動物。


ここまでの極め付きは

脳が情報を扱う器官であり、情報が確率と深く係わった概念である以上、脳が情報を扱う過程も動態経でなければならない。ということは、脳の活動から生まれるこころも、また、動態系に所属するのである。

動物が生きていて、かつ、脳が活動しているからこそ、こころが実存できる。そして、その活動は、極端に正確な熱の管理を必要とするのである。

という事です。

でもこんなこと、取り立てていう事でもないと思うのですが・・・


で、次は、先生の「脳の渦理論」が待っています。