なかなか、エントロピーを十分理解したというところまでは行ってませんですが、
昨夜、この事(エントロピー)を考えてたら、ああこんなもんかな、と言う気持ちになりました。
少しは理解が深まったかもしれません。
ドイツ人クラウジウスは何を考えてあのエントロピーを世に送り出したのか、とか言うことですが、
まず、カルノーサイクルでの可逆過程と不可逆過程の差にポイントをあてその違いを数式にしたのだという事です。
可逆過程とは、
ある仕事をした場合、
仕事前の状態にするのに、
熱、仕事の出入りした量が同じの場合を言います。
あるシステムに
熱を加える、とる、仕事をする、させるなどの全てを合計が0となるという事です。
数式では、
カルノーサイクル1周で
dQ/Tを積分すると
可逆では0になり
不可逆では負の値になるのです。
この事を見つけ、dQ/Tの積分をエントロピーSとしました。
S=∫dQ/T
すると、
不可逆から可逆の位置(始めの位置・状態)にまで戻すのに更なるエントロピー(エネルギー)が必要になり、
結果通常の現実的仕事サイクルではエントロピーが増加するという事になるのです。
詳細を見ると、
カルノーサイクルでは外部から熱を注入されたときにはエントロピーは増加し、
反対に外部に熱を放出する場合にはエントロピーは減少しています。
積分とは、これらの合計になるのです。
だから、全ての現象でエントロピーが増加しているのではなく、ある領域だけを切り取って見れば、エントロピーは減少しています。
かの有名なシュレーディンガーが生命とはエントロピーを食べる(減少させる)ことだと言っていますが、
それは生物だけ(1領域・1時期)を見ているのであって、
全地球的領域、全宇宙的領域で見れば、エントロピーは増大しています。
そういう意味でも、生命も物理現象の一角を占める存在であるという事がわかります。
このようにエントロピーは完全な熱力学の考え方なのです。
でも、最近ではエントロピーとは、乱雑さの度合いとか、
時間の矢とか言われていますが、
そこに行くには、きっと更なる進化過程が必要だったのでしょうね。
クラウジウスの式には、そのようなものは何もありませんから。