今日書こうとした、熱力学第2法則でカルノーサイクルを調べている内に、昨日書いたブログの記述に大きな誤りを見つけました。
長谷川先生の記述は何んの誤りもありませんし、ミスプリもありません。私の勘違いと、記憶間違いでした。
先生ごめんなさい
誤りは以下の通り。
JQ=4.1840J/cal×Q=Wで正しく
dUもd´Q+d´Wどちらも同次元で
=で正しいのです。
ワットセカンドも仕事も単位は同じだったのです。
エネルギーも仕事も同じ次元ですが、
エネルギーは仕事をする能力だそうで表現はちがいます。勘違いでした。
以上です。
今日はその熱力学第2法則・エントロピー増大則
エントロピーの概念、これを考え出した先人達は素晴らしい人たちと尊敬の念が湧いてきます。
いつも思うのですが、どのような考え方を持てば、このような考えがでてくるのか不思議です。
天才のひらめきなのでしょうか。
それでは、具体的にどう、エントロピーの概念が生まれてきたのか、さらにその考え方が他の分野まで広がっていった、いきさつを考えてみようと思います。自然界、生命、果ては意識に通じる何かが見つかるかも知れません。
さて、この第2法則はフランスの天才カルノーの理論で
彼は理想的熱機関を想定し理論を作りました
それはピストンつきシリンダー内に理想気体を封じ込めたもので
ピストンを移動させ、
外部から内部気体の温度を自由に制御できる熱機関とします。
ピストンサイクル動作は以下のようになっています。
① 温度T1での等温膨張
② 断熱膨張
③ 温度T3での等温圧縮
④ 断熱圧縮
でもとに、戻ります。
丁度注射器の先端を閉じた形状を思い起こしてください。
そこで上の
① では温度T1に一定にした状態で外部から熱Q1を加え膨張させます。
ピストン移動
② では外部と熱遮断した状態で膨張させます。膨張させるため自身の温度を下げその熱を膨張に使います。温度はT3に低下。
ピストン移動
③ ①と反対に外部から圧縮エネルギーを取り込みますので発熱しますがこの発熱Q3は外部に放出し一定温度T3になるように制御します
ピストンもとへ
④ は②と条件は同じにし、今度は反対に圧縮し元の①の気圧までもどします。
ピストンもとへ
という動きになります。
ここでカルノーはピストンの位置を最初の位置に戻した場合、外部からの熱の出し入れが一番少なく、効率のいい場合を想定します。
この場合最大効率がT1とT3だけで決まる事をカルノーが示したのです。
それを数式で表すと
(Q1/T1)+(Q3/T3)=0・・・①
となります。
これは可逆過程です。
効率が落ちた場合は不可逆過程となり上の式の=が<になります。
(Q1/T1)+(Q3/T3)<0・・・②
不可逆はT1、T3だけで決まらず、熱接触が起こったり、摩擦損が起こったりした場合に起こります。
ここで、
この関係に注目したドイツ人クラウジウスは、可逆過程①では、式②に対して何かが補われる、それはQ/Tで定義されるものでサイクルを1周すれば、Q/Tの総和は0となるはずのもの、すなわち
∫dQ/T=∫dS=0
であると考え
dQ=TdS
としました。
これを、温度TによるSの変化(dS)が熱Qの変化を引き起こすと考え、このSの変化をエントロピーと定義したのです。
また、具体的に計算すれば、水の膨張、昇温、融解及び蒸発など、変化がおこると必ずエントロピーが増大する。膨張では分子の運動範囲が広がり、昇温では分子運動の激しさが増大し、融解や蒸発では分子間の束縛から解放され分子運動が急激に大きくなる。いずれも、分子の運動の自由度―すなわち分子がとりうる配置の乱雑さ―が増していることから、エントロピーと分子配置の乱雑さとの間には直接的な関係がある。
以上から、
エントロピーとは分子配列の乱雑さを表す量である
と言うのに納得がいきますでしょうか。
ここでは、理屈はともかく
エントロピーとは分子配列の乱雑さを表す量である
と決め付けているように思います。
この概念から発展して、ボルツマンの統計力学、
情報量にまで発展します。
ながながと書きましたが、エントロピーの意味を総体的に捉えようと考えます。