今日は神経回路網について。


人間を始めとする動物の脳・中枢神経系は

ニューロンがシナプス結合により結合された神経回路網からなり、

そのニューロンが発火現象をおこす事により、信号が伝播され・処理され、

最終的には筋肉を駆動する神経系に伝わり行動となります。


ニューロンは前段からの信号をシナプス結合を通し受けとり、

そして細胞内のイオン電位をms単位で急上昇と急降下変化をおこし、

次段のニューロンに、その電位変化を軸策からシナプス結合を通し伝達します。


詳細は、ネットでも検索できますし、

私などがこのブログでとやかく言うものでもありませんが、

ただ、ポイント・言いたい事を言う為の

バックグランドとして知っていただきたいと思っています。


以上のように、ある入力刺激信号が原因で、細胞内の状態が瞬時に変化し、その変化を次段に伝達し、次の入力信号に使うというのは、いかにも電子回路的です。


少し電子回路の知識を持っておられる人であれば、以上の機能が、モノマルチバイブレータと同じ機能であると思われるでしょう。


それは、

入力の信号が変化したタイミングにモノマルチに内部状態が反転し

その後ある一定の時間後にもとの状態に戻るという回路で、

トランジスタとかコンデンサーで実現できます。


この回路は計算機の論理回路の範疇に入れていいのかどうか議論が分かれますし、最近では制御回路中にもほとんど使われていません。

なぜなら、この回路はノイズにすごく弱く、入力がないと思われる状態でも誤動作します。この回路を用いる人は、特別な場合のみの使用としており、具体的にはノウハウとなっています。



いずれにせよ、入力信号が来れば内部状態が変化しその変化信号が次段の入力信号として使えると言う構造になっています。

入力端、ある入力信号で内部状態が変わる内部構成、その状態を出力できる出力端を持った素子。


このモノマルチ・機能デバイスを組み合わせ信号処理系を作り上げるのです。


この機能素子は1・0状態、ハイ・ロー状態、正・負状態が静的状態で安定であるという信号パターンはとれません。

現在あるパソコンなどは、すべて1・0状態のどちらかを情報パターンとして使っています。論理回路もすべて同じです。

そういう意味でも。モノマルチは使いにくい素子なのです。


しかし現実の脳はモノマルチ的素子を使い、処理を完成させています。

したがって、情報パターンの基本は電圧状態の反転変化が基本になります、いわゆるダイナミック動作になります。

つまり、例えば1→0→1が基本信号パターンになるのです。

ある時間が来れば、有無を言わさず元の状態に戻ってしまうのです。


ここで問題。

この素子を使い具体的にメモリー機能を持たせるにはどうすればいいでしょうか?


答えは、

複数個のこの素子を連続的に接続し、最終出力端を、始めの入力端につなげればいいのです。輪の様に接続が出来ます。

このように接続し、何らかの方法で信号を入れてやれば1個の素子の反転が(発火が)始まり、その反転は連続的に次の段の素子の反転に寄与します。

すると、1つの反転の終了が次段の素子の反転を起こすという風に、反転がパターンが維持されます。


この反転パターンの有無が情報の有無に相当し、結果メモリー機能が出来上がります。


この輪のような接続は脳内にあれば、かの有名なヘッブ博士 セルアセンブリー のイメージがすぐにわいてきます。


この輪接続の接続変化が輪の形を変化させ、脳が経験・学習したという事に相当するというのがヘッブ博士の学習理論なのです。


論文も最近の研究結果も知りませんので、間違っているかもしれませんが、

この輪接続回路パターンがさらに別の輪接続に影響を及ぼすということ、

(パーセプトロンのよう)

輪接続の重なりあい部分を共有することで、よく似た情報になっている、

(赤と紅色の差)

輪中の反転(発火)パターンの増減が次段に及ぼす影響の強弱になる

(輪中発火パターンの個数は可変です)

(意識が強くなる)

とかの想像が簡単にできます。


さらにこの情報には時間変化が基本的に組み込まれています。変化が要求されます。

これはコンピュータ内情報と大きく違う点です。

また、動作していないと情報は失われます、

この意味で脳内において、何もなくても発火は必ず起こっているという事に納得できます。


話は変わりますが、

上で、モノマルチを使うと誤動作がよくおこり、回路の中に使われないと言いました。使うのは特別な場合だと。

使わないのは、タイマー機能として。

使うときは、チェーン状に信号を伝えるような反転が連続して起こる場合。


少しの誤動作で致命的な影響を受けない所で使うのです。タイマーの誤動作は致命的です。しかし、脳も少しくらい誤動作を起こしても大勢の影響はないのでしょう。だから使える。


このような神経回路網活動の中に情報を見つけ出し、クオリアなどを同定することが必要になります。