今朝、出勤途中の櫻に、数輪の花が咲いているのを見つけました。
まだまだ肌寒いのに、櫻は元気です。
東北にも速く、暖かい元気な春が来ますように。
今日は、
情報の意味を考えて見ます。前回からの意識の存在意義問題に必要な基礎知識の一つであるからです。
情報の意味は古くからいろいろと考察されてきました。
例えばWeb上で意味情報 のページが見ることが出来ます。
さらにもう一つの意味論 。
それらの中で意識に関しての最右翼は、デイビッド・チャーマーズ博士の情報の二相説
（Wikipedia）で、よく引用されます。
この二相説の意味は簡単に言うと情報には二つの顔があって
一つは、物理的な面と
も一つは、現象的立場の面です。
“チャーマーズは、情報を外側から見ると物理的、内側から見ると現象的、とする。”
とあります。
そこで、疑問が起こります。
情報を外側から見るとはどういう比喩でしょうか、又
情報を内側から見るという事も同じです。
直接、本人に聞いて見ないとわからないのですが、
情報を作り上げる物理的構成と
情報の持っている意味であろうと考えます。
例えば、モールス符号、
物理面では、電波で送信され、音で聞き分けます。
そして、
モールス符号を理解できる人に対して“SOS符号”は救難信号でしょうが、
モールス符号を理解できない人にとっては、単なる雑音です。
以上のような二相説で意識を解明しようと考えているのがチャーマーズ博士なのです。
ここには情報の意味を理解する主体について何も、問われていませんが、基本的には人間の目があります。
始めに紹介したWebでの情報意味論、その他の多くの意味論も人間中心です。
人間中心の情報意味論が二相説に、無意識的に含まれています。
さらに特に、意識について二相説を想像してみますと、
ある神経回路のパターンの活動が“痛い”という事を表していると考えられたとき、その活動パターンを観測するのが、情報を外側から見る事ですが、
この神経回路の活動パターンを内側から見るとは誰がどのようにして見るのか
又、現象面といっても痛いという現象を表しているだけで内側から見ることが出来ないし、
まさか、脳内小人が見ないと思いますので、
想像困難となります。
このように考えますと、この二相説は情報に意味が付いていますよと言っているだけで、当たり前のことを言っているだけなのですが、
でも、Wikipediaにある様に、チャーマーズ博士は情報を究極的な実在と考えている、という所が味噌なのでしょう。
私が、主張する情報の意味は少し異なります。
情報は確かに物理面と意味の面があり、情報に二相・二面あると考えますが、
意味を理解する主体を明確にしないと、混乱してしまい、話の筋がつかめなくなると考えます。従って、主体を前面に出した、情報の意味論が必要になるのです。
先ほどの例えでは、モールス符号を理解できるか、出来ないかで情報の差が現れるのは、日常茶飯事ですよね。人間の理解がいります。
動物の死肉がコヨーテにとっては好ましい獲物であっても、人間は見向きもしません。この場合コヨーテ主体の情報が存在します。
ですから、脳神経パターン（物理面）が痛いという事を表象（意味面）しているにしても、ただ神経活動が見られるだけですが、
「痛いという意味があります」と神経学者に言われ「ああそうですか」と納得出来ます。これはあくまでも、人間主体の情報意味となります。
何度もシツコイようですが、
神経活動を内側からなんて見ることなど出来ません。「さあ、この活動パターンが痛い、痛いと言ってるよ、その神経活動になった気持ちで、その活動を内から見てください。そこに痛いというクオリアがあります、見えますでしょう」
と言われても戸惑うだけです。
このような状況では、
情報の意味を理解出来るのは、人間だけなのです。その意味も傍観的意味にならざるを得ません。そこにそのような痛い現象がありそうだとしか言えませんが。
これが“人間情報”なのです。当然この情報は通信情報、インターネット情報、社会情報、など世界中に存在しています。ほとんどの情報と言われるのがこの型の情報の意味になります。
もう一つの情報は“自然界物理情報”です。
例えば、人類が、地球が誕生する以前から存在している宇宙の恒星、星雲の存在など、物理的因果関係の下、活動している物理構成全てが、情報となります。
この自然界物理情報は人類と無関係で、情報の意味は自然界が決めます。
この決めるという意味は、人類が理解して利益、損益などの価値を、もとにしたのではありません。“物理的影響を与えるという事”が意味になるのです。
ですから、現象面からの立場とは異なります。
次に、もう一つの、“生命体情報”の意味について、
これが今回一番重要で、意識、クオリアも含まれ、以上の情報とはおもむきが異なります。
同じ情報という言葉が使われていますが、本質的な差が存在するのです。
が、説明は長くなりそうなので、続きは後日にします。