読むかどうかはおいといてちょっと覗いてくださいな。本だけじゃないよ、現代風の勉強法も伝えるよ。


①『中世神道入門』

最近出た本です。まずは気になるページをパラパラめくってみて下さい。いきなり「麗気記」とか「沙石集」とか「渓嵐拾葉集」とか呼んでも興味がわかないと思います。気になる神様やキーワードをめくってみましょう。「山王神道」ってなんだろう。「伊勢神道」って今の神道じゃないの?妙見様って神道なの?弁財天?原初の神様って古事記と違うの?とか驚きが待ってますよ!

図書館で手に入らなかったら、かわりに、山本ひろ子さんの本を読んでみましょう。

 


 

 


 

②『中世神話』岩波新書

まあ梵天とか「葛城宝山記」とか難しい言葉はおいておいて、中世神道の世界に入ってみましょう。どのように記紀神話が変形しているでしょうか。中世神道の世界は、まずは最大公約数を知ることからです。「水と世界のはじまり」「独鈷と阿字の原」「国譲り」「宝珠」。最大公約数を知って、それから個別の本ではここが違う。ああ、これではこう書かれているんだ。という違いを見ると、入りやすいです。


 

 


 

 

③今すぐ読めるもの ciniiで専門の論文が読めます。実は、伊勢神道の「類聚神祇本源」という書物が注付きで公開されているんです。これはあの先生に感謝しなければ。

『麗気記Ⅰ』は両部神道書『麗気記』の注と現代語訳です。中世神道の世界に文書から本格的に分け入るはじめはこれでした。卒論に使わせていただいています。


 

 


麗気記に合わせてこちらも紹介します。中世神道の書き下し文が、言い方がなんですが、オムニバス形式で掲載されている本です。といっても書き下し文ですが。『麗気記Ⅰ』や『中世神話』などいくつかの本で肩慣らしをしてから挑むと良いと思います。神保町だと1000円以下で手に入ることもあります。

 

 



 

また、中世神道と言えば、伊藤聡先生が思い浮かびますね。本では『中世天照信仰の研究』おすすめです。

ネットでプリントした論文をマーカー引きながら精読して、その知識でもって図書館の専門書に臨むんです(ケチな学生の勉強法)。


 

 

 参考までに、『中世天照信仰の研究』は分厚いので、それに面食らって読む気が失せた。でも、天照について深めたいという方にはこの本がおすすめです。ただし、やはり学術書なので上に上げた本を読んで、時代背景や全体像を掴んでから読んだ方がわかりやすいです。

 

 


 

 

④『中世の神話・文字・身体』

これは驚きの本です。えっ、中世神道って禅とつながってたの?ほほう、灌頂の書として麗気記を捉えるとそういうことになるのか。赤白二渧、水とは単なる水ではなくて中世では身体とつながっていた面もあったのか。

わからない僧侶の名前もたくさんでてきますが、ひとまずサッと読み通してみましょう。論文集ですから、すべての章を一気見しなければいけないわけでもありません。


 

 


 

⑤もっとはやく紹介するべきでしたが、ニコニコにすごいおじさんがいます。ときどき下ネタを言われたり、奥さんに呼ばれて飯を食べに行かれたりしますが、古代から近代日本の神道まで、仏様から三宝荒神のような民間信仰まで、はたまた各地の神仏習合まで、いや日本全国の信仰まで抑えそうなすごいチャンネルです。もう、知識ってどこから手に入るかわかったものじゃない時代です。pchanというおじさんのチャンネルです。

https://www.nicovideo.jp/user/1117680?ref=androidapp_other

 

いろいろ紹介してしまいました。勉強はちょっとしたことの積み重ねや部分の集積が感動をもたらすものです。まあ、自己満の世界かもしれません。塵も積もれば山となる。点が結んで線になる。線は直線か?曲線か?それはおいておいて、面になり、立体になるなんて言葉もありますね。ちょっと、御先祖様の世界覗いてみたいとおもいません?