①垣内景子先生の『朱子学入門』を勧めます。

「理気二元論」「聖人可学」「居敬窮理」「豁然貫通」などの言葉がわかりやすく説明されている。

今まで自分は、この世の原理を知るとか、神仏のことばかり考えていて、自分がこの場で聖人となって世の中をより良くするという視点で読んでいなかったため、みなさんはもっと得るところがあると思います。

「世界は一枚のジグソーパズル」、「気のせいってなんのせい?」というような表題があります。面白そうでしょ?


 

 


 

②次に、「仁義礼智信」とか徳目が儒教一般にはあります。聞いたことはあるけど、具体的になんなの?

という人におすすめしたいのは、垣内先生の『朱子学のおもてなし』もいいですが、

第一に自分は伊藤東涯の『古今学変』です。

日本思想体系に入っています。一人で読むのは難しいかもしれないけど、勉強になりますよ。

古義学派の朱子学批判についても知る事ができますが、自分にとっては、序盤の「論語」の章が印象に残っています。

仁とは何か、義とは何か、以一貫之(忠恕)とは何か、孝についてはどうかなど、論語の各所から引用して語ってくれます。いわば、論語のデータベースです。


 

 


第二に、北渓字義です。

これはゴリゴリの朱子学の字義です。朱子学では徳目はこう語られるのか。と味読してみてください。

『古今学変』の宋明の箇所が読みやすくなります。


 

 


 

③第三に、というより第二の前に読んだ方がより身近に朱子学が感じられるかもしれませんが『大学』と『中庸』です。共に朱熹が四書として五経(詩・書・易・礼・春秋)の前に置いたものです。

『大学』は短いですが、前向きに生きたくなる書です。己を治め人を治めるというよく聞くキーワードに加えて、

日に進んだといえど、日に日に進み、又た進む。と王様の桶に書いてあったとか、なぜお母さんは習わなくとも子どもをかわいがることができるのに、お前にできないことがあろうか。など。人を励ましてくれる書です。


 

 



 

 


『中庸』はおもしろいです。まあ読んでみて下さい。人はみな、人としての道にある程度はしたがって生きているが、それを極めつくした人はいない。東涯は「誠」について書いた本だと言っていたような。

そう、話がそれますが、天理に従い、一体となった生き方を「誠」と言うんです。

まあ、読んでみてくださいな。


 

 



 

 


 

④真説 陽明学入門

どの本もですが、この本からもまだまだくみ取れてないところが沢山あると思います。この本で一番印象に残ったのは、

王陽明の

「無善無悪は心の体、有善有悪は意の動、知善知悪はこれ良知、為善去悪はこれ格物」という言葉です。

心自体、人間を動かす意志、人間に働く本来の判断力(良知)というように、心を語る言葉の繊細さにも驚かされるところです。

しかも、それぞれの言葉に動きがあるように見えるのがおもしろいところです。