*ジョンフンの話・・・

 

控室で原稿のチェックをしていると電話がかかってきた。

彼女からだった。

 

”ソヨンを・・・忘れること。

それがハジンさんに出来る唯一の方法だったんだろう”

 

テウンの言葉を思い出した。

 

 

本番を前に、スタジオに入った。

席に着くとメールが来た。

 

”ずっと電話を取ってくれませんね。

まさか私の電話をわざと無視してる訳じゃありませんよね?

ちょっと会いましょう。話があるんです”

 

 

一旦また、スタジオを出てテウンに電話をした。

 

「ヨ・ハジンさんの事だ。

記憶が戻ったらどうなるんだ?」

「たぶん、かなり辛い状況になるだろうな。

あの時のように深刻な状況になるかも知れないし」

「・・・・・。

このまま永遠に記憶が戻らない事もあるのか?」

「ああ。

普通と言う訳ではないが、そういう場合もある。

もうすでに長い間記憶が戻らない状態だし・・・

だが、断定できる事は何もない」

 

「一方では羨ましいし、一方では気の毒だし・・・

どんな気分なのか想像も出来ない、俺には。

大切な記憶を忘れて生きなければならないということ。

どっちの方が可愛そうなんだろうな?

永遠に忘れられない俺か?

それとも生きるために忘れてしまったヨ・ハジンさんか」

 

電話を切ると、メールが来た。

 

”また私です。ひょっとしてどこか悪いんですか?目の病気で携帯を見られないとか?

それとも指を怪我して携帯を打てないとか?

そうでなければ連絡をください。重要な話です”

 

 

・・・・・続きます。