シンが道端でウンタクがやってくるのを見ています。

 

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「生が俺に向かって歩いてくる。死が俺に向かって歩いてくる。

生として、死として。お前は疲れもせずに歩いてくる。

そうすれば俺はこう言わねばならないのだ。寂しくないと。そう言えば良い。良いに違いない。と」

 

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ウンタクがシンに気がつきました。

 

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「ここで何してるんですか?」

「・・・・・・」

「私が見えないの?」

「見たさ」

「何を?」

「お前。来るのを」

 

「おー、そんなに長く?わあ、ちょっと感動だわ。それで、そうやって長く見ていたらいつもとは違う?それとも相変わらずそう?」

「何が?」

 

「前に言ったでしょ?私には見えないって。

私の20歳、30歳が・・・。

まだ見えない?」

「うん、お前には見えない。普通は少しぐらいは見えるんだがな」

 

「ふーん、そうなのね。私がその他記載者だからかも。つまらない物から特別になったのね。私が作る物が私の未来になるんだから。

心配しないで。私がいつも辛いって思わないで。

私は今、運命を淡々と受け止めてたくましく生きるトッケビの花嫁なんだから。

それにしても気になるわ」

 

「何が?」

「私の20歳、私の30歳。。。」

「そうやってずっと生きるさ。そうやって綺麗に」

「どうして分かるの?1日や2日ぐらいは憎らしいこともあるかもよ」

「1~2カ月ってこともあるかもな」

 

歩き出す2人。

 

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「それで、アジョシ。守護神になる時に基準があるの?」

「ない。その日その日の気分さ。大人と子供だったらたいてい子供だな。世界から遠くに離れる俺に最初に手を差し伸べてくれたのが小さい子供だったから」

 

「じゃあ、あの時どうして私のお母さんを助けてくれたの?大人なのに」

「あの日は酒に酔って気が弱くなってたし、お前のお母さんが助けて欲しいと頼んだのは自分じゃなかったから」

 

それを聞いたウンタクは立ち止まり、

「助けてくださいという言葉に応えてくれたのがアジョシで、それが、今さらだけど奇跡みたいで嬉しくて・・・」

と言って、涙ぐみました。

 

そんなウンタクの頭をやさしくポンポンと叩くシン。

 

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するとウンタクは

「頭は、そうやってポンポン叩くんじゃなくて、こうやってなでなでするものよ」

と言って、シンの頭を優しくなでます。

 

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しばらくそのままウンタクに頭をなでてもらいながら、じっとウンタクを見つめていたシンは、急に

「今日かもな。1~2日憎らしい日っていうのは」

と言って、また歩き出しました。

 

「ちょっと待ってよ!人が教えてあげてるのに・・・」

 

 

家の中に入った2人。

 

「あっ!これ何?」とウンタク。

 

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「ツリー」

「そんな事聞いてるわけじゃないでしょ?アジョシが飾ってくれたの?

そのワラビみたいな手で?」

「ああ。だからこの手を休ませてやらないと。じゃあ、俺はこれで」

 

「アジョシ。今まで自分の事ばかり考えててごめんなさい。

本当に追い出されるかと心配もしてたし、アジョシが剣を抜いてくれないか?って頼むのが面白かったの。

アジョシが美しくなって他の女性と付き合ったらどうしようかとも思ったし」

 

「・・・・・・・・」

「そんなことしない、って言わないの?」

「言わないといけないのか?」

 

「ケチね。まあ、期待してなかったけど。どっちにしても私は決心したわ。

美しくしてあげる。アジョシみたいに良い人の頼みだから、悪い結果がでるはずないし。

どこで綺麗になる?あの綺麗なツリーの横がいい?」

 

「い、今?」

「うん。どうして?」

「今日?今すぐ?」

「ええ。鉄は一気に抜け」

と言って、抜く構えをしてみるウンタク。

 

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「鉄は一気に抜け」って言うのは、日本語で言うところの「鉄は熱いうちに打て」に相当するみたいですけど、ここでは、ホントに文字通りなので、そのまま訳しておきます。

 

するとシンはポケットから慌ててスマホを取り出すと

 

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「あっ、電話がかかってきた!もしもし??

ああ!今すぐ行くよ!」

としゃべりながらドアから出て行ってしまいました。

 

「アジョシ!電話がさかさまよ!」

と、一人残されてポカンとした顔をするウンタクでした。


 

・・・・・続きます。