3日目。
舞台が明るくなると、すでに2人ともイスに座っている。
け「カラスを巣箱に入れてみました」
と「どうでしたか?」
このあと、やっぱり頭だけしか入らなくって、なんか大変な事態になった・・・・というような話を検閲官がしたのですが、よく分からず。。。
と「それは大変でしたね・・・としか、言えませんね」
け「さて、脚本のほうですが・・・・」
と「ちゃんと”国王陛下万歳”というセリフを入れました。3回」
け「確かにそうですが・・・。では、実際にやってみてください」
イスから立ち上がり、セリフを言ってみるトックァン。
「これが上手くいけば、僕とジュリエットは永遠に結ばれる。国王陛下万歳!国王陛下万歳!国王陛下万歳!」
け「そこですよ。めちゃくちゃ唐突じゃないですか?」
と「いえ、この続きを読んでいただければ分かります。
国王陛下万歳!国王陛下万歳!国王陛下万歳!・・・と言うと、そこに馬がやって来た」
け「つまり馬の名前が”国王陛下万歳”と言うことですか?」
と「そうなんです。上手く思いつきました。」
け「私がこれで納得するとお思いですか?」
と「すみません
すぐ書き直します」
と言って、今の場面を破ってゴミ箱に捨てるトックァン。
トックァンが書き直している間、話続ける検閲官。
け「ずっとこの仕事を?」
と「いえ、最初は絵を書いてました。舞台の背景とか空とか。で、いつの間にかこっちの方を書くようになって・・・」
と、突然、
け「書けましたか?」
と「えっ?ずっとしゃべってましたから、まだ・・・」
また話を続ける検閲官。
「私は、おもしろい人間ではありません」
今度は書くのに夢中で上の空のトックァン。
「そうみたいですね」
け「えっ?」
と「いえっ、そう・・そうなんですね」
け「今まで一度も心の底から笑ったことがない。でも別にどうということはありません」
と「ですが、一度ぐらい冗談を言ったことがおありでしょう?」
け「いえ、一度もありません。そんなことには全く興味がありません」
と「まあ、そういう人もいるのかもしれませんね」
け「笑いというのは本当に必要なものでしょうか?」
と「重要ですよ」
そして、このあと、トックァンが自分の友達の長い話を始めるのですが、全然聞き取れませんでした。
残念。。。
と「とってもいい話でしょ?」
け「別に・・・」
と「これは、面白い話というのではないんです」
け「私はその手の話はもともと好きじゃないので」
と「いえ、この話は笑いというのはとても大切だ・・・っていう話なんです」
書き終わったトックァン。
「出来ました」
け「では読んで見てください」
また、セリフを言うトックァン。
「「国王!」「陛下!」「万歳!」
すると、3頭の馬が出てきた。。」
け「何ですか?つまり、馬の名前がそれぞれ、国王、陛下、万歳なんですか?」
と「そうです」
け「先生
」
と「すみません。もう一度持ち帰って書き直してきます」
け「そうしてください」
と「そのほかに直すところはありませんか?」
け「それを直したら言いましょう」
と「それは困ります。今お願いします」
け「しょうがありませんね。では一つ。キスシーンがありますが、これをカットしてください」
と「どうしてですか?ここはいやらしいシーンじゃないんです。恋愛物なんですから、1箇所ぐらいそんなシーンがないと」
け「ダメです」
と「では、ホッペにチュッっというのではどうでしょう?」
そう言って、検閲官のほうに顔を近づけるトックァン。
け「やめてください
人が見たら誤解するじゃないですか
」
と「どうしてもダメでしょうか?」
け「絶対ダメです
」
と「分かりました」
そう言って、自分の椅子を軽く蹴飛ばしてドアのほうへ![]()
すると
け「イス!」
と「あっ、はい」
と言って、慌ててイスを元の位置に戻して
「失礼します」
と出て行くトックァン。
トックァンが出て行くとゴミ箱の中からさっきトックァンが捨てた原稿を拾い、それを読んで大笑いする検閲官。
日めくりカレンダーの下にある、標語のようなものが書いてある額の中から、突然ニョキっと手が現れて、紙を1枚めくる。
そして4日目へ。。。
この日めくりカレンダーとっても不思議なんです。
パラっと勝手にめくれたり、誰かがめくったり。。
どういう仕掛けになってるんでしょうね?