ミギョンが両親の寝室に入ってきた。
「ソヌから聞いたわ・・・。
すごく驚いたでしょ?」
その声を聞いてミギョンの方に顔を向けたお母さん。
でも、ベッドから起き上がろうとはしない。
「お義姉さんは何て言って出て行ったの?」
「言い訳も、説明も何もしないで出て行った」
とお父さん。
お父さんは、ベッド脇の椅子に座っていた。
「じゃあ、オッパは?
オッパはどうしてるの?
オッパが一番傷ついてるだろうに・・・」
「ウジェも知っていたんだって」
とお母さん。
「知ってた?」
びっくりするミギョン
。
2階へ上がるとウジェがバーカウンターでお酒
を飲んでいた。
「話を聞いて上がって来たんなら、もう何も言うな」
とミギョンを見るとウジェは言った。
「いいえ、私が一番言う権利があると思うわ」
「・・・・?」
「オッパはいつから知ってたの?」
「お前・・・・?」
「うん、私も知ってたの。
サンウに頼まれて黙ってたけど。
で、オッパも私とサンウの別れた理由を知ってたの?」
「すまない」
「どうして黙ってたの?
どうして知らん顔ができたの?」
「言えば、今みたいな騒ぎになるのが分かってたから」
「そりゃそうかもしれないけど、オッパはお義姉さんを失いたくなくて、私のことは知らんふりしたの?
私があんなに苦しんでたのを知ったのに、オッパの愛だけが大切だったの?
騙されているのを知っていても、守りたかったの?」
「それだけのためにやったんじゃないことぐらい分かるだろ?
両親・・・。
お前だって、そのために黙っていたんじゃないのか?」
「ええ、そうよ。そうだけど・・・。
それで、お義姉さんはどこにいるの?」
「知らない」
「この期に及んでオッパに何の弁明もないの?」
「事務所もやめて、携帯の電源も切ってる。連絡もない」
「オッパ・・・」
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
一旦、部屋に戻ったミギョンだったが、思い直してまたウジェのところにやってきた。
「話しておくことがあるの。
ソヌがお義姉さんに、自分からオッパと別れたら黙っててあげると言ったらしいわ。」
「えっ?」
「だけど、お義姉さんはオッパに全部話して離婚するって言ったそうよ」
「それ、どういうことだ?」
「オッパに全部話して離婚するって言ったんですって。だから、最後までオッパを騙すつもりじゃなかったみたいよ」
「全部打ち明けて離婚するって言った?」
「他のことはともかく、お義姉さんが予め出て行く用意をしてたのはそのせいよ。別れることになったとしても、そのことだけは誤解しないようにね」
「全部話して別れるって言ったのか・・・」
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
ソンウが戻ってくるかもしれない・・・と思ったのか、お父さんはウジェの家の近くで、ずっと待ち続けていた。
もう午前1時・・・、だがソヨンが帰ってくる気配はない。
仕方なく、家に帰ろうとするお父さん。
一方、布団に入っているが、眠れないサンウ。
今までのことがいろいろ頭の中を駆け巡る・・・。
ミギョンを初めて家まで送り、「俺たち別れよう・・・」と言ったあの日のこと・・・。
ソヨンに、「お前が一度殺したお父さんを二度と殺したりするな!」と怒鳴ったこと・・・。
「お前にはもう戻ってくる家族はいない。」そうソヨンに言ったこと・・・。
思い出しているうちに、いてもたってもいられず、部屋の外へ飛び出したサンウ。
そして、ホジョンもやはり寝ていなかった。
サンウが部屋を飛び出した後、ゆっくり起き上がり、心配そうにサンウが出て行ったほうを見ている・・・。
そこにお父さんが帰ってきた。
庭にいるサンウを見て、
「サンウ、こんな時間にここで何してるんだ?」
と聞いた。
「お父さん、知ってたの?」
「・・・・・?」
「姉さんが結婚したこと知ってたの?」
「・・・・・」
「どうやって知ったんだ?」
「・・・・・」
「どうやって知ったんだ?って聞いてるんだ」
「・・・・、お前はそれをどうして・・・」
「どうやって知ったんだ
」
「登山に行く途中で、分かったんだ」
「登山?」
「ああ、そうだ。
ピョンサン洞へ行くバス
で・・・」
「いつから?いつからだよ。
どうして知ってたのに言わなかったんだ?
ソヨンを呼んで聞いても良かっただろ?
いや、最低俺にだけでも言ってくれよ。
どうして、お父さんの胸の内にしまってたんだ?
どうして??
こんな記事まで見てて。
お父さん!
お父さんのせいで何があったか知ってる?
俺が、俺がどんな気持ちで暮らしてたか知ってる??
ちょっと話してくれてたら・・・。」
何ともやりきれない気持ちでお父さんから目をそらすサンウ。
だが、それには答えず、
「ソヨンから連絡があったか?」
と聞いたお父さん。
びっくりした表情でお父さんを見つめるサンウ。
「お前に何か連絡があったか?」
「・・・。
ソヨンを探しに行ってたの?」
その時お父さんは寒い中ずっと外にいたせいで、風邪をひいたのか、フッと倒れてしまった。
この時、サンウの怒鳴る声はとても大きくて、部屋にいるホジョンにも聞こえています。
でも、ホジョンは「サンウが話してくれるまで聞いてはダメ!」と、布団をかぶって耳を塞いで聞こえないようにして、じっと我慢していました。
本当はとっても心配で気になっているのですが・・・。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
部屋にお父さんを運び、寝かせているサンウ。
そこに
「オッパ、これ暖かいお湯よ」
とコップ
を持ってホジョンが入って来た。
「お父さん、お湯飲んで」
と、お父さんにお湯を飲ませるサンウ。
「お義父さん。いったいどこへ行って来られたんですか?」
と心配そうなホジョン。
「オッパ。病院
に連れて行ったほうがいいんじゃないの?」
「ホジョン・・・。
お父さんと2人にしてくれないか?」
ホジョンは
「はい・・・」
と頷くと、寒さに震えているお父さんのために、エアコンの温度を上げて部屋を出て行った。
寒さに震える声で、お父さんが
「ソヨンはどこに行ったか連絡はないか?」
と聞いた。
「まだない」
「あいつはいったい、何をしてる・・・」
そんなお父さんをやるせない気持ちで見ているサンウ。
一方ホジョンはまたベッドの上で布団をかぶり、耳を塞ぎ、目を閉じてじっとしていた。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
お父さんが少し落ち着いて、布団から起き上がった。
「どうして言わなかったんだ?」
ボソっとした声で聞くサンウ。
「俺が知っていると言った瞬間、ソヨンは生き地獄のようになる。それにお前も俺たちの間に入って辛いだろ?」
「だからって、3年も知らんふりをするなんて。
関心がないふりして。
どうしてそんなことを?」
「どうして知らん顔をしたかって?
俺だってこんな父親は捨ててしまいたいからさ」
「お前だって分かってるだろ?
お前やソヨンみたいな良いやつが、俺みたいな親のせいで・・・。
俺みたいなヤツを捨ててしまいたいと思ったとしても、それはあいつのせいじゃない。
みんな俺のせいだ」
「お父さん・・。おとう・・・。」
そこで、涙が出て来て、続けられないサンウ。
そのサンウに近づき、顔に手を当てて、
「すまない、サンウ・・・」
と言って、泣き崩れるお父さん。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
ホジョンはサンウとお父さんの声が聞こえなくなったので、そーっと耳に当てていた手を離して見た。
「もう終わったのかな?」
すると今度は2人のすすり泣く声が聞こえて来た。
また、あわてて耳を塞ぐホジョン。
「いったい何があったんだろう・・・・」
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
朝7時。目覚まし
が鳴った。
ヨニが目を覚ました。
だが、横を見ると、そこに寝ていたはずのソヨンの姿はなかった。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
ソヨンは、結婚前に住んでいた家に来ていた。
屋上部屋に上がり、お父さんを思い出しているソヨン。
そこに、電話
がかかってきた。
お義母さんからだった。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
ヨニが事務所に出勤すると、ウジェが待っていた。
「こんにちは。私はイ弁護士の夫です」
「ああ、はい。こんにちは」
「ソヨンの高校の同級生と伺いましたが、ひょっとしてソヨンから連絡があったりしませんでしたか?」
「いいえ。ありません」
そう言うと、ヨニは行ってしまった。
ウジェが追いかけようとした時、お母さんから電話
がかかってきた。
「ソヨンを呼んだから家に帰ってきなさい」
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
居間で向かい合うソヨンとお母さん。
「申し訳ありませんでした。」とソヨン。
「今日はあなたを問い詰めようと思ったんじゃなくて、私の話をしようと思って呼んだの。だから緊張しないでちょうだい」
「はい。お話ください」
「私はあなたが好きだった。
結婚してしばらくは、距離も感じたし、信じることも難しかったけど、そのうちだんだん・・・、懐が深くて、私よりずっと大人で、プライドも高くて、ウソもつかないし、・・・。
あなたは、ほんとにこんな事する子じゃなかったわ」
「そんな風におっしゃらないで下さい、お義母さん」
「だけどソヨン。あなたがしたことは取り返しがつかないことよ。
ホントにどうしたら?」と泣き出したお母さん。
「私は今でもはっきりと覚えてるの。ユン・ソミのことで慰めてくれたあなたの優しさ、。。
はっきりと。。だからダメなの。
私は22年もずっと騙されてきて、悔しい思いをしたばかりなの。その上、信じていた嫁にまた3年も騙されてたなんて。あなたが良い子だってことは分かってるけど、もう分からないの。人間が怖いの。怖すぎて、もう誰も信じられないの。。
始めからずっとウソをついてた人の気持ちを理解することは出来ないわ。ゴメンなさい。あなたを受け入れることは出来ないの」
「分かってます、お義母さん」
ソヨンも泣いている
。
「当たり前のことです」
「そんな風に言わないで!」とお母さん。
「どうしてこんなことしたの!どうして!」
「瞬間の選択でした。どうしても言えませんでした。
ウジェさんにもご両親にも。
ウジェさんと私は離婚します。
ご心配なく。
本当に、本当に申し訳ありませんでした」
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
ソヨンが家から出ると、ウジェが待っていた。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
カフェ
で向かい合う2人。
「お義母さんにもう一度謝罪しようと思って行ったの」
「それで、離婚するって言ったのか?」
「お母さんもそのおつもりでウジェさんを呼んだんじゃないの?」
「その前に、俺の質問に答えろ。俺がちゃんと納得するまでは離婚しない」
「ウジェさんにも、もう一度謝るわ。最初からウソついててゴメンなさい。」
「本当の気持ちを話せ。一度くらいプライドを捨てて、俺にきちんと弁明しろ。お前の気持ちを。
どうしてこんなことになったのか。どんな事情があったのか。どうして3年以上も話せなかったのか。どんな気持ちだったから話せなかったのか」
「ウジェさんを愛してたからウソついたにしても、欲望からウソをついたにしても、そんなことは重要じゃないわ。私はウソをついて、親や兄弟を隠して結婚したの。そして3年以上それを隠し続けた。辛くて、後悔して、・・・そんな生活には二度と戻りたくない。」
「もう一度一緒に暮らそうっていう話じゃない。お前にとって俺がどういう存在だったのか・・・・」
「どうして同じ話ばっかり何度もするの?何回聞かれても私の答えは同じよ」
「どうしてそうなんだ?そんなにプライドが大事か?俺は、このまま何も言わずに暮らして行っても構わないと思ってた」
「何勝手なこと言ってるの?先に別れようって言い出したのはあなたの方でしょ?」
「ソヌに、”俺に全部話して別れる”って言ったんだろ?」
「・・・。今話してるじゃない。。。」
「全部話すっていうのはこういう事だったのか?」
「ウジェさん、お願い。私のことを全部分かってると錯覚しないで。私はこんな人間なの。こんな人間だったの。ウジェさんは、私がどんな話をしても理解出来ないわ」
「それでもしろ!俺を理解させろって言ってるんだ。それぐらいしても良いんじゃないか?」
「私は、ウジェさんを納得させたいなんて思ってない」
それを聞いて、どうしようもない・・・と首を振るウジェ。
「じゃあ、どうするつもりだ?
お前が捨てたお父さんのところに帰るのか?」
「何も知らないくせに勝手なこと言わないで!」
「だから話せって言ってるだろ。そうでなければ聞いて見ろよ。
どうして聞いてみないんだ?俺がお父さんにあって何・・・」
「お父さんの話をしないで!あなたと私が今する話は離婚以外にないわ。」
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
ソヨンは法律事務所に行くとソヌがいた。
「ゴメンなさい。約束を守れなくて」とソヌ。
「本当に私が先に話すつもりはなかったんだけど」
それには答えず、自分の部屋へ入っていくソヨン。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
部屋の書類を片付けているソヨンとヨニ。
「ソヨン。重要な物だけ持って帰ったら?あとは私がやっておくから」
「私の仕事なのに、何で人にやらせるの?時間もたっぷりあるのに」
「倒れそうじゃないの。家に帰って休んでたら?」
「私はどんなに倒れそうな時でもちゃんとやって来たわ」
「ソヨン」
「うん?」
「ウジェさんに、正直に本当のことを話してみたら?
どうせ別れるとしても。
こんな風に誤解されたままでいいの?」
「私の口からお父さんの話をしろと?」
「・・・・・」
「うちのお父さんがどんな人だったかをウジェさんに?
私に対する誤解を解こうと、一度殺したお父さんをもう一度殺せって?」
「・・・・。そうね・・・」
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
片付けを終えて、事務所を出るソヨン。
しばらく行くと、こちらに向かって歩いて来るお父さんが目に入った。
思わず立ち止まるソヨン。
お父さんもソヨンに気がつき立ち止まった。
少し離れたところに立ち、見つめ合う2人。
・・・・ここで38話終了。
ウジェとソヨンは本当に離婚するのでしょうか?
また、ソヨンのウソがバレてしまった今、ホジョンと結婚したサンウはどうする?
続きはまた今度。。。